第12話

地球の温暖化や環境破壊はどんどん進んでゆく。

世界各地での異常気象、作物の不足など待ったなしの状態なのに、あほな独裁者の大々的な侵略戦争で地球の環境破壊と資源の枯渇に拍車をかけている。

例えば戦車。

あれの燃費はどの位かご存じだろうか?

リッター何キロどころではなくリッター数百メートルなんだよ。

腐れプーチンはさっさとウクライナから全面撤退をして自国民に処刑でもされて人類の残り時間を減らすような暴挙は止めろよ馬鹿め!

と言う風に世界の環境破壊は仕事人として闇に生きる俺以外にも、あなたにも、あなたにも、あなたにも刻々と滅亡の時は近づいているのだ。


ここまでかっこよく考えて書類仕事を済ませてコーヒーを飲んでいると、ムシムシしながらも晴れた空ににわかに黒い雲がもくもくと湧いて来たと思ったらバケツをひっくり返すような土砂降りになった。

慌ててベランダのオサダや俺の服を取り込んだ時、リビングのデカいテレビの電源が付いておさだが慌てて這い出してきた。


こんな夕方に随分早いなとおさだに聞くと、霊界でも非常に強い集中豪雨が発生して避難指示が出そうだと伝えて来た。

とりあえず知り合いを比較的高台のここに避難させても良いかと聞かれたので別に良いよと答えたら、おさだが頷いてまたテレビの中に入って行った。


なるほど、テレビから見たおさだのいる霊界には大粒の雨がぽつぽつと降り始めていた。

暫くするとおさだが酒瓶とおつまみが乗った大皿を持ち、その後ろを霊界カラオケ居酒屋淡谷のママのあのあの、更生した巨大淡谷のり子もどきハサミでおちんちん縦に先っちょから根本まで切り裂き魔のママがスピーカーとカラオケの機械を抱えて入って来た。


「とみちんさん、御免ね~!避難解除まで少しだけ厄介になるわよ~!」


今更断る訳にも行かず、俺がかくかくと頷くと、更生した巨大淡谷のり子もどきハサミでおちんちん縦に先っちょから根本まで切り裂き魔のママの後ろから、おさだの友達の伽椰子が息子のあの白塗りの俊雄君を連れて入って来た。

白塗りの俊雄君は雨で所々白塗りが落ちていて、伽椰子がバッグから何やら白いクリームを出して俊雄君を元の白塗りに直していた。

そして早めに淡谷に来ていた客達も何人かテレビから俺の部屋に入って来た。

その中には水には強いと思われる魚人の忠三郎までもが奥さんと沢山の子供を連れて入って来た。

何でも汚れた濁流に流されて海まで行ってしまうと戻れなくなるらしい。


こうして俺の部屋は何とも賑やかな感じになって来た。

避難してきた皆が不安そうにテレビから霊界の雨を見ている目の前を流れる小川の水量がどんどん増してきた。


おさだが慌てた様子で俺に身振り手振りで状況を伝えた。

このまま目の前の小川の水位が上がるとテレビを通してこの部屋にまで浸水すると言うのだ。


それは大変だ!


俺は万が一北からミサイルが飛んで来た時に熱戦と爆風よけに窓ガラスの前に積む為にベランダの隅に積んで置いた土嚢をテレビの前に積み上げる事にして、全員が力を合わせてテレビの前に土嚢を積んだ。


その時テレビの先の霊界の雨の中を指差した伽椰子がギギギギギ~!と悲鳴を上げた。

皆が見るとこの前うちに遊びに来た埴輪の小魔神が溺れ乍ら川を流れて行く。


魚人の忠三郎がすかさずテレビの中に飛び出して小魔神の所まで見事に泳いできて小魔神を抱えるとこちらに泳いできた。


皆で手を貸して小魔神を部屋に入れ、更に土嚢を積み上げた。

テレビからは霊界防災警報のアナウンスが流れて来ていた。


ホッと一息ついた俺達はこうしていても仕方ないのでここで宴会をやろうと言う事になり、あの更生した巨大淡谷のり子もどきハサミでおちんちん縦に先っちょから根本まで切り裂き魔のママがいそいそとカラオケの機械をセットして、おさだと伽椰子は酒とおつまみの用意を始めた。


まぁ、人間世界でも土砂降りの雨でテレビの先の霊界でも土砂降りの雨、今日は俺の仕事も無いからたまには羽を伸ばそうと、俺は保存食料から魚人の忠三郎一家に遠慮してカルパスやクラッカーやナッツやポッキーなどの乾きもの、魚肉で無いおつまみを納戸から出して宴会に参加する事にした。


こうして宴会が始まり、皆が時々積み上げた土嚢の堤防の上からテレビの先の雨をチェックしながらカラオケを歌ったり酒を飲んだり料理を食べたり、俊雄君はニャー!と魚人の忠三郎の子供達はギョギョ―!と声を上げてはしゃいで駆け回りと盛り上がり始めた。

本当に壁が厚いマンションに住んで良かったと思った。

これ位の騒ぎでも隣近所から苦情は来ないだろう。

もっとも誰かが来て部屋の中を覗いたらこのお化け屋敷状態を見て泡を吹いて卒倒するだろうしな。

おさだがかなり酔って来て、中森明菜の難破船を歌うと言い出したので慌てて止めた。

あれはおしっこちびるほど怖いのだ。

俺でさえそうだから、俊雄君や魚人の忠三郎の子供達なんかひきつけを起こすかも知れない。

俺達は飲み、歌い、食べ、語り合った。

更生した巨大淡谷のり子もどきハサミでおちんちん縦に先っちょから根本まで切り裂き魔のママの若い頃の特攻隊の若い彼氏とのロマンスの話は笑いあり涙ありで聞きごたえがあったが、その話はまたいつか機会があった時に話そう。

うん、やはり戦争はいけないね。


おさだによると、人間界の環境破壊は霊界に3倍になって被害が及ぶらしい。

地獄は12倍、天国だけは被害は及ばないと言う事だった。


そうこう盛り上がっている内に人間界の土砂降りも数時間経つと弱まり、霊界の雨も弱まって結局テレビの前の土嚢の堤防は決壊せずに済んだ。


明け方に霊界の防災無線放送で警報解除のアナウンスが聞こえ、皆は土嚢や宴会の後を片付けて水が引いた霊界に戻って行った。

成る程、人間界のやりたい放題は人間世界だけでなく霊界にも悪影響を与えるのだな。


俺は残ったおさだとディスカバリーチャンネルの雄大な自然ドキュメンタリーをでかいテレビで見てまったりと寛ぎながら、俺ももっと環境問題に真剣に取り組もうと思った。


死んだ後でさえ環境破壊のつけが回って来て霊界で逃げ回るのも嫌だからな。



続く

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