第2話 コロシアム

「はぁ・・・退屈だわ」

「ジョーイさま、明日はコロシアムの闘技大会に出場する日ですが」

「そうね、どんな奴が相手なの?」

「明日は5試合予定されていますが・・・」

「5試合!それだけ?もっとやりたいわ!!10でも20でも何人でも結構よ!

 みんな私の奴隷にしてやるだけよ!ほほほほほほほ!!!」


「あんたさぁ、どうすんの?今日あのジョーイと対戦するんでしょ?」

「そう・・・私今日で終わりなの?」

「さぁ、それはあんた次第だな。それよっかあんたのその、剣道ってやつ?

 それでジョーイに勝てると思う?」

「わかんない・・・でも一応8段だし」

「ハチダン?なにそれ?強いの?」

「まぁそうかな、でも竹刀ないしなぁ」

「シナイ?なに?」

「剣道で使う道具よ、1m50くらいの長さの竹の棒だね、

 あっ?モニカ、あなた持ってるの丁度いいんだけど、貸してくれない?」

「これ?いいけどよ、親父の形見だからあんまり無理に使うなよ」


竹刀代わりの大剣をもつマリアが大上段に構える

「へぇ、なかなかカッコいいじゃない!

 まぁそれで勝てるとは思えないけどな、いちおうやってみな」



「おい!お前!出ろ!」


【さぁ今日の最終試合、サド女王こと炎の騎士ジョーイの登場だ!】

「今日も大漁だな、5試合目はどんな奴なの?楽しみだわ」


【対戦者は異世界からやって来たノースキル女子、マリア・ミナカミ!】

「ノースキル?これはどう考えてもジョーイの餌食だな!はははは」

「お嬢ちゃん、見せ場位作ってくれよ!」


「おい!お前!鎧も着ずに片刃剣だけで私と対戦するのか?面白い!

 来い!ボロボロにして私の苗床にしてやる!!!!」

ブラックのプルオーバーパーカーとグレーのスウェット姿のマリア

盛り上がるコロシアム。

うるさいなぁ・・・精神統一できないじゃない!


「うるさい!しずかにしてくれ!」

マリアの思いがけない一喝で静かになったコロシアム


「さぁ来な!お前ごとき瞬殺さ!ははははは」


土の上に正座し瞑目

立ち上がり一礼

「おっ!もう敗北宣言か?よーし良い子だ」


【では本日の最終戦、スタートです】

剣を真正面にいるジョーイに向けて、すっ、すっと摺り足で前進するマリア


「早く来な!」

(じゃあ遠慮なく!)


いっきに詰め寄る、


こて!

ガシッ!!


「うっ!なんだこの痛さは・・・尋常じゃない!くっそ、オマケに痺れやがる」


思わず剣を落とすジョーイ

【まさかジョーイが剣を落とすなんて!】


すかさず、次の手


めん!!!!

ジョーイの頭めがけて鋭く振り下ろす!


ガシャン!

パカン・・・

なんと一撃でジョーイの頭を保護していた兜を吹き飛ばした。


うっ・・・

うずくまるジョーイ、

さらにもう一撃


めーーーーーん!!!!!


ジョーイは地面に突っ伏して倒れた


静まり返るコロシアム


【マリア・ミナカミの勝利です!!】


「うそだろ?あのジョーイが負けるなんて・・・」

「あの子はいったい何者なんだ?」



「おい!あんた凄いな、あのジョーイに勝つなんて!」

「たまたまうまく行っただけよ」

「いやぁたまたまであんなに出来ないぞ!お前にその剣をやるよ、あれだけ使えれば

 親父も喜ぶだろうよ」

「いや、これは返すよ。借りたものは返すのは当たり前だよ」

「そうか?まぁいいさ、使いたくなったら貸してやるよ」

「其れで良いよ」



「くそっ!あいつ、一体何者なんだ?このジョーイさまがあんな奴に負けるとは」

「何者なんでしょうね」

「おい!!!ザガラッド、そんな呑気なこと言ってる場合じゃあねえだろ!!!

 あいつの正体を暴いて来い!」

「は、はっ、はい・・・・」



第2話 完






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