異常

3

楓は変わった。あの日から。優しくなったの?それとも冷たくなった?よくわからない。けれど、自分の心の傷が癒えないことはたしかだった。さらに楓といると苦しくさえもなった。原因は何?お互いが話せるようになって幸せじゃないの?本当にわからないことだらけで少し呆れちゃう。


隠し事はしてない。常に彼女とよく話している。ストレスからくるってやつは今でも治ったわけではないけど、そうなってしまったときには、彼女が看病してくれる。でもそれに俺は罪悪感を抱いていて。ほんとうにこれでいいのかわからない。こうしてれば佳奈が幸せなのかもわからない。あんまり考えたら、またあの症状が来そうで怖い。


・・・


ある日、俺と佳奈はとあるテーマパークに行った。そこでは、もうすきなことをとにかくしまくった。帰り道、見つけた小さなご飯屋さんで夜ご飯を食べた。そこで働いていたのは、幼馴染の涼音だった。

「おぉ、涼。久しぶりぃ、、!」

「楓君?マジ??こんな偶然あるんだね。」

そのあともぺらぺらとおしゃべりを続け、彼女が置いてきぼりになっているなんてことに俺は気づかなかった。


あぁ、、。最悪だ。私はなんでいつもこうなんだろう。いい時には何かの邪魔が入る。す、ず、ね?て人が悪い、邪魔というわけではないけど。楓はどちらかというと優しい方だし、高校での人気も高かったらしい。だから、山ほどの女の子が楓を狙ってたのだろうけど、今の彼女は私よ?楓は、そのことわかってる?そもそも私を女性としてみているのかなぁ。


この時の私は知る由もしない。

何にも楓に言わなかったことを後悔することなんて。

私の方がよっぽどお人よしだった。彼に言っておけば。


俺は、涼音に会えて超嬉しかった。正直、ここ最近で一番。彼女との出来事を差し置いて、涼音との再会を一番と思ってしまう自分がおかしいし罪悪感はあるものの、本当に、ここ最近で一番うれしい。


私は、久しぶりに楓君に会った。知ってるよ。彼女がいることなんて。知ってるよ?今日楓君が仕事休みのことなんて。知ってるよ、楓君のぜーんぶぜんぶ。なんでかって?私は、楓君が初恋だからだよ。だから、ずーと追い続けてるんだぁ。まぁ、言い方が少し悪くなるとストーカーみたいな、、。まあ、なんでもいいの。とりあえず一回話せたし、楓君を楽しませることができた。あとはこっちのものよ。ごめんね、彼女さん♪

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美しい君へ あおりげる。 @ya_ma_aoi

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