第2話しゅんちゃん

ここでは、しゅんちゃんと書いたがいつもは、彼のことを「しゅん」と呼んでいる。

しゅんは僕の中で1番長い親友。

知合ったのは14歳。

もう、30年だ。

同じ中学で、同じ学習塾だったので良く遊んだ。中学生なのに、キョンシーごっこやつけ鬼をしてみんなと遊んでいたが、我々はキョンシーごっこが大好きだった。

5円玉で、銭剣を作った。

しゅんは、中学生時代に「料理の鉄人」を見て、高校は調理科のある学校に進学して調理師免許を持ち、東京の料亭に就職した。

僕は大学進学で、埼玉の東松山に住んだ。

休みの日は、しゅんは東松山まで会いに来てくれた。


しかし、しゅんは料亭の先輩に喫煙が見つかり殴られて鹿児島に戻った。

僕も大学を中退して一時期、鹿児島で働いていた。

しゅんはスーパーの鮮魚係をしたいたが、家族が増えてバスの運転手になった。


ほぼ毎日、LINEのやり取りをしている。しかも、子供っぽい下品な内容。

一度、しゅんの奥さんから、

「いつも、夫と楽しいLINEのやり取りをされて、ありがとうございます」と、言われた。

う◯こスタンプと送っているのを、嫁さんも見ていたのだ。恥ずかしかった。

僕が28歳の時、しゅんは家族で小牧に来た。

小牧はしゅんお母さんの妹さんがいて、キャバクラを経営していた。

僕は女の子と喋り、飲んでいたがしゅんは酒が弱くて、スーパー銭湯の駐車場でリバースした。

僕もリバースした。


先日、しゅんは喉に腫瘍ができて手術した。

良かった、良性の腫瘍だった。

僕らはもう、45歳。

健康には気を付けないといけない。

まだ、キョンシーの話しをする。いつまでも中学生のままだ。

高校の友達も、大学の友達も付き合っていない。しゅんだけだ。

今度、帰郷したらまたしゅんと寿司屋で飲まなくてはいけない。

しゅんと一緒にいたら、笑いが絶えない。

腹がよじれる位、笑う。

「◯◯ってさ〜、オレが運転すると直ぐに下痢になるよね」

とか話していると、何の事は無いのに面白い。

しゅんとは、お互いの葬儀委員長を務めることになっている。

僕は、早く死ぬだろうからしゅんが死に水を取るだろう。

こういう、親友は大事にしたい。

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