第4話 それでも歌を好きになったんだ
「ふーん。そっか、それで歌を……」
「ええ、でもこれでもプロ顔負けなのよ」
家の近くにある小さな公園で、少しだけ彼女とお話をした。公園は、午後の6時だというのに、未だ子供たちがいる。きっと、働いて帰って来る親を待っているのだろうな。
彼女の名前は、小早川 アリス。日本人の母とヨーロッパ人の父を持つのだそうだ。
小早川さんのご両親は、二人共プロの歌手だった。
クリスマスプレゼントに父親が歌いながら、銀紙チェックのプレゼントを開けたことから、彼女はピンときたんだそうだ。盛大なクラッカーと共に開け放たれたクリスマスプレゼントは、空だった。小早川さんのご両親は、それを箱の中には奇跡が入っているんだと言ったんだそうだね。
それでも、小早川さんは父親のその時歌った聖歌が、心地よくいつまでも耳に残ったんだそうだ。
ぼくとは正反対なんだね。
クリスマスソングの配達員 主道 学 @etoo
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