イケメンの性別がわからん

「そもそも勘違いしてない?山田くんが島野さんのこと好きなわけないじゃんw」


……


「さっきまでいっぱい妄想繰り広げていたくせに、もうこんなに静かになっちゃってw」


「もういいよ…」


「なんですぐ逃げようとしちゃうかなあー。せめて最後まで話聞いたら?」


トイレのドアを押そうとする俺を腕を掴んで必死に止めてくる。


「ほら、罰ゲームで告白してよwやるって約束してくれたら腕離してあげる」


「無理だよ!ぜったい…」


「あー、もうほんと島野みたいなやつ嫌い。なんでそうやって隠すの?もっと女の子らしくなったら?素直じゃないっていうか、弱々しい自分に酔ってるんじゃないの。」


呆れた顔をして、ため息をついた。


「そんなんじゃないって!」


「だったらやりなよ。罰ゲームで告白。それで盛大に振られれば?じゃあやってね。」


そう言うと、彼女はドアを蹴って開けて廊下を走っていった。


「なにがしたいんだよ…あいつ。」


目的はわからない。ちなみに罰ゲームは微塵もやるつもりはない。


 ◆

「ごめん、1人でやらせ、せせせて」


「うん。いいよ別に。」


けっ!やっぱ男じゃん!男っていう男じゃん!はあ…、どうせ山田くんもSNSとかでかっこつけまくってるんだろうな。いや多分現実でもだな。やっぱマキト様しか勝たん!


「ほら見て!島野さん!いっぱいできたよ!」


え?ちょっと待ってちょっと待って。さっきまで出来てなかったじゃん?なのになななななななにこれわ?


「ほら、お花!」


かわわわわ、かわかわのかわいい!!!女の子か?あ?女の子か!?ふぉまえは女の子なんか!?


「よし!じゃあもっと作っちゃおっ!」


ああだめや、昇天しそう…。


「ん?あ、もしかしてここ切りづらい?ちょっと貸して…」


ん?


「出来た。これで大丈夫そうだね!」


あああそういうことですか、あんたイケメンだねッ!!!!ふぉまえは男の子なんか?女の子なんか?どっちなんだい!


 ◆

「おっけい。ありがとね、これで間に合ったと思う!」


「はひ。あなた様の仰せの通りに。」


「?」

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