エピローグ

 つい最近、母がこんなはなしをしてくれた。「にわでね、ミャーコがとりったのよ」。


 どんな鳥か、まではかなかった。スズメか、もう少し大きい鳥だろうか。ふとっていたのに、まだ、ミャーコはそんなに動けるのかと私はおどろいていた。


「それでね。いつもならミャーコは、った獲物えものを私に見せにるのよ。でも、そのときちがったの。その獲物を、ミャーコはチビにわたしたのよ」


 ああ、そうかと私は思った。ミャーコはに、りの仕方しかたおしえようとしたのだ。今もミャーコは実家のさいしアイドルだけど、もうミャーコは、自分が一番いちばんでなくてもいいのだと。きっと、そういう意識いしきなのだろう。


「それで最近、ミャーコとチビは、一緒いっしょとなりの家へまりむみたいでね。チビはひとりなんだけど、ミャーコが先導せんどうしてくれるから、リラックスしてごせてるんだって」


 やっぱり親子おやこなのかねぇ、と母が言った。私はヒザの上ででたときの、まるくなったミャーコの背中せなかをただおもしていた。

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丸(まる)くなったミャーコの背中 転生新語 @tenseishingo

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