第19話 情報屋

(ガンダが帰ってきたのかな)


小走りでドアに向かい、玄関のドアを開けた。

するとそこには、赤い髪の毛で細いツインテールをした、目の色が海のような女の子がいた。


「アレ…ガンダは…?」

と小さくボソッと呟いた


「ガンダなら後ろにいるでしょ」

と赤髪の女の子は言う


「えっ」


「俺もいるぞ」


「あ、いたんだ。ってこの女の子は誰…?」


「女の子ですって!?そんなに若く見えるかしら?!」


「あ、え、」

これ喜んでるの?怒ってるの?


「彼女はここまで荷物を運ぶのに手伝ってもらった″情報屋″さ」


「情報屋?」

情報屋ってなんだろう?名前的に情報に関係している職業なのかな?


「…はじめまして、ミロワです」


「あら、自己紹介が遅れちゃったわね。というか…先にちょっと荷物を置かせてくれない?これ、ほっんとに重たいの!!」


「あっ、すみません!!どうぞ」


「ありがとう」

そういうと彼女は家の中に入り、ソファの上荷物をおき、そのままそれにもたれかかった。


「改めて、私は情報屋の″ネグ″よ」


「情報屋?情報屋ってなんですか、?」


「情報屋っていうのは、この世界のありとあらゆる情報を集める職業だよ」


「情報を集めるだけ、?」


「ちょっと!!集めるだけって失礼ね!!情報を集めるには人脈、お金、精神力や体力が必要なのよ!?その情報を知ってるってバレたら殺されることだってあるかもしれないのに!!」


「ご、ごめんなさい、、」


「まぁそういう結構大変な仕事なんだよ。情報屋っていうのは基本的に人には言ってはならないから、情報屋の仕事をする分、他のところでも″普段の顔″として見せるように別のところでも働かないといけないしね」


「そ、そうなんですね」

思ってた倍にしんどそうな職業だな…というか女の子、気が強いな…ちょっと苦手かもしれない、


「あれ、ネグ、来てたんだ」


「あ、ミディ!!」


「あれ、お二人は知り合いなんですか?」


「えぇ、ちょっとたまにガンダと世話を焼きに来たりしてるのよ。ほんとたまったもんじゃないわ!!」


「ハハハ!!すまないね」

ガンダのお世話してるんだ…ってガンダ??ミーシィとガンダは久しぶりに会ったんじゃないの?

「あの、この前、ミーシィからガンダとミーシィは久々に会ったって聞いたのですが…」


「え?」

「ん?」

「あ」

2人が驚いたあと、ミーシィは声を荒げて笑った。


「それ信じてたの!?まぁあの流れなら信じるしかないよね!!でも面白いな!!アレは嘘だよ!!」


「え?」


「なに!?お前そんな面白い嘘ついたのか

よww」


「え、あれ、えっ、嘘?」

聞こえてないみたい。2人ともお腹を抱えて笑ってる

あれ嘘だったの??私はもう困惑状態。なんにもわからなくなっている。

でもからかわれたんだよね?


そんなことを思っているのネグがスッと立った


「ちょっと、あんたたち!!そんなに笑う必要ないでしょ!?そもそも嘘ついてる時点で最低だし、それを笑うのも最低じゃない!!」


ネグが大声で怒鳴った


「そんなに怒らなくても良いじゃないか」


「そんなに?あんた人の立場になって物を考えれないわけ?もう良いわ。今後一切情報もわけないし、買い出しも行かないし、世話もしないんだから」


「えっ嘘でしょ?」


「嘘じゃないわよ」


「ハァ、え、それじゃあどうしたら許してくれるんだよ、!!お前に謝ればいいのか?」


「それを私に聞くの?というか私に謝るって、私じゃなくて謝るのはミロワちゃんに対してじゃない?」


そう言ってネグは私の方を指さす

「ガンダ!!あんたもよ!!」


「…わ、わりぃ」

ガンダは結構スッと反省しているように言った


「ハァ…悪かったよ。次からはしない」

「あんた…!!なのなのその態度…!!」


そう言ってネグがミディに近づき腕をスッと上げる

(え、待って、これヤバいんじゃ)

そんなこと思ってる間に腕がスッと下がるように見えた


「あの、まっ、待ってください!!!」


拳がピタリとミディの頭上でとまる


「私は大丈夫です、!!なのでもう喧嘩はやめませんか、?」


「…」

シーンっと静まりかえる。私これ間違ったこと言っちゃったのかな?と冷や汗が出始めた


「ミロワちゃんがそう言ってるならそうしましょ。あんたたち次からは気をつけるのよ」


そう言ってネグはまたソファにもたれかけたそして、続けてこう言った



「というか、こんな大荷物何に使うの?」

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