第11話 発明家

さっきのところからちょっと歩いたところに

人が住んでいそうな小屋のような、マンションのような、そんな場所に着いた


「ハァハァ…」


「なに?こんなのでバテたの?」


「い、いや、こんなのでっておかしいでしょ…階段と坂がありすぎる…」


「そんな言うほどでもないでしょ」


「いや、どこがよ!!ここから下見てみなさいよ!!」

下を見ると黄金の光がポツポツと見える。さっきいたところもでかい歯車のようなものがあったが、その歯車でさえ見えるか見えないかの大きさだ。


「そんな疲れるぐらいだったら空中馬車に乗るくらい言ってくれたら良かったのに」

「空中馬車があることも今初めて聞いたのだけれど…」


そういうとガンダは戸を叩いた

トントントン…


「おい!!いるか?」

そこから10秒ほど沈黙が続いたあとに、重い扉が開いた。


キィィィ…


「なにかようかい?」

扉の奥から出てきたのはゴーグルをつけた…男性…??女性…??


顔が整っており、綺麗な長い紫の髪を少し上の部分でくくっている。


「よお」

「やぁガンダ…と、どなたかな?もしかしてお前の彼女かい??」

「ちげぇよ。コイツはお前に用があって来たんだよ」


ガンダがそういうと彼は私に対して笑顔でこう言った

「初めまして。こんにちは。とりあえず中に入ろうか」

「あ、はい!!」


そして私たちは彼の家の中に入った


カチャカチャ

「はい。コーヒーと、紅茶。キミは紅茶で良かったかい?」

「あっ、はい!!大丈夫です」

「それなら良かった。砂糖はいるかな??」

「それじゃあ、お砂糖を1つ…」


そういうと紅茶の中に角砂糖を1つ入れた


「紹介が遅れてしまったね。僕は発明家のミディ・レーシックと言うよ」


(ミディ・レーシック…!!この人も本に書かれてた人…!!)

「は、初めまして…!!ミロワ・リュンヌと申します!!」

「お前そういう名前だったのか」

「ガンダ、まさかの彼女の名前を知らないままここまで来たのかい?」

「あぁ。コイツ名乗らなかったからな。ほんと失礼なやつだ」

「女性に向かってコイツって、失礼だよ」


(ほんとだ…私名乗ってなかった…)

そんなことを思いながらも質問をする。


「あ、あの…こんな不躾なことを聞くのもなんですが…ミディさんの性別って…」


そう聞くと2人は一瞬黙ったあと笑い始めた


「ハハハ!!性別だってよ!!!確かに一瞬見ただけではわかりにくい面してるよなお前って」

「フフッ…ww確かにそうかもねww」


2人とも大爆笑している。これ…聞いて大丈夫なやつだったかな…?


「いや、すまないね。回答が遅れてしまって。僕は正真正銘、男性だよ」

「そ、そうでしたか…」


(男性だったのか…確かによく見たら喉仏もあるし背も高い…いや、背の高い女性だっているよね…)


「発明家なんですよね…?発明家と言ってもどういう発明をしているんですか…?」


「発明品か…それなら外に飛んでる空中馬車とか…流星群体の一部のとかに携わっていたよ。ここら辺に飛んでいる空中馬車は結構僕が携わったものが多いよ。空中馬車乗ってきたときに内装とかみたでしょ」


「空中馬車…乗ってません…」


「…お、うぇ???」

まさかのまさか。私たちは歩いてきたのだ


「…マ、マジで??ここって普通空中馬車に乗ってくる場所なんだけど、歩いてきたの??」

「はい…」


「ガンダ?どういうこと?」


「どういうことも歩いてきたんだよ。そこのミロワって言うやつが金持ってなかったんだから」


「ハァ…それぐらい払ってあげなよ…キミ公務員でしょ?なんなら刑事でお金結構もらってるんでしょ?」


 「え、ガンダさん刑事なんですか?」


「そうだよ。逆になんだと思ってたんだい」


「いや、公務員としか聞いてなかったので…」


なんなら本当に公務員だとは思ってなかった…


「さて、そろそろ本題に入ろうか。僕になにを聞きに来たのかな。」


そう聞かれ持っていた赤い表紙の本を机の上に差し出した

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