第6話 その本の内容は③
~31XX年4月X日22:07~
読者ミロワ・リュンヌ
そこには今日の日付と時刻と自分の名前が記されていた。
「な、なにこれ!!」
焦った私はそこにあったペンで自分の名前を塗りつぶすようにかき消した。
だが、本にインクが吸い取られるかのようにインクが消えてしまった。
ほんとうに不可思議なことが起こっている。
どうしよう、本を返しに行く?いや、図書館は閉まっている。
今日はもう寝る?明日考えればどうにかなる?
そんなこと考えていると
ガタッ!!
本を落としてしまった…
「ハァ…」
ため息をつきながら本を拾う。
と、その拾った本のページを見るとさっきと同じページかと思ったら違うページだったことに気付いた。
~30XX年10月X日1:36~
読者ミディ・レーシック
(他の人もこの本を見たってこと?)
だが、自分のページとは少し違うところがあった。
「本の一部が切り取られてる…」
さっきの私のページに戻って確認してみる
「やっぱり…」
私のページには「パスポート」というものがある。
だがさっきのミディ・レーシックという人のページにはその「パスポート」というものが切り取られている。
「そもそもこのパスポートってなんだろう…」
この本に書いてあった他の世界の文化の1つなのか…初めて聞くものだからこの「パスポート」というものの役割があまりわからない
(この″パスポート″って言う物もなにかの役割を示す物なのかもしれない…けど、その前にどれぐらいの人がこの本を読んだのかだけ確認しておこう…)
今ここで誰が読んだかを把握出来たら、誰に何を尋ねれば良いかわかるかもしれい。
この本の正体もわかるかも…
そう思い次のページをペラリとめくる
~30XX年10月X日21:01~
読者ネグ・マー・ドル
~30XX年8月X日17:58~
読者ガンダ・ラック
~30XX年5月X日2:21~
バッカム・ロナイト
その他にもあと13~12人くらいいた。
でも1つだけみんな共通点がある。
(みんな″パスポート″がない)
もうこの人たちはこの世界から出たってこと??
そんなこと考えてもよくわからない。
(今日はもう寝よう…)
凄まじい眠気で頭が良く回らない…どうせ毎日同じことを繰り返しているのだから明日に考えたって良いはず。時間はたっぷりある
そう思いながら眠い目を擦りランプを消した
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