第3話 家に帰ろうと思ったが

「これも美味しそうだな~」

と料理の本を見て何時間ぐらいたっただろう。さっきまで本が3冊しか無かった机には大量の料理の本が占領されていた。 


「あっ。これなんか今うちにある材料でつくれそう」

そんなこと言いながらペラペラと本をめくっている。そんなとき


~~~~~~~~~~~♪

店が閉まる5分前の音楽が鳴った。

「嘘!!」

そんなに長居してたつもりは無かった。

急いで階段を駆け下りて貸し出し口まで全力で走る。

借りる本の数と自分の名前を書いて急いで図書館から飛び出た。


「ハァハァ」

こんなに全力で走ったのは久々だったため、大量が切れて息があがる。


「……ってあ、」

さっきの赤い表紙の本。急いで持ってきてしまった。料理の本を読んでるうちに借りる気は失せていたのだが持ってきてしまった物はしょうがない

(まぁたまにはこういう本を読むのも良いよね)


そう言い聞かせゆっくりと歩いて家に戻っていたその時


「すみません。そこのお嬢さん。」

「?」


多分警官。何故か声をかけられてしまった


「すまないね。ちょっとキミに探知機が反応してしまっていてね。良ければ今持っているものを見せてくれないかな?」

「あ、はい。」

「あ~…料理の本ばかりだね。料理が好きなのかい?」

「はい。料理をすることしかすることがないので」

「そ、そうかい」


と素っ気ない反応を返してしまう。人と喋る機会などあまりないためどうすれば良いか混乱しているのだろう


「あれ。キミ。この赤い本はなんだい?」

「あぁ…それは..」

「まさかこの本の中を見たりしたかい?」


さっきまで笑顔だった警官がいきなり険しい顔に変わってしまった。その本が原因?いや、わからない…


「いや、見てませn」


見てないと言おうとしたとき


「先輩!!探知機が反応しているのはそちらの方ではありませんでした!!あちらの方です!!予想が当たったのか現在逃亡中!!」


若い警官がそう言う


「そうだったか!!いや、すまないねお嬢さん。私たちの勘違いだったみたいだ。本当にすまない!!気をつけて帰っておくれ!!」


そういうともう1人の警官もそう言ってどこかに行ってしまった。


「な、なんだったんだろう…」


そう思いながらまた家に向かって歩き始めた

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