第7話 自習時間
四限目の英語は、担当の葛目先生が風邪で休んでいるため、あらかじめ配られたプリントをこなすだけの自習となっていた。そして都合がつかなかったのか代理の先生、もとい監視役の大人がいなかったので、隣のクラスまでは聞こえないように調整された絶妙な声の大きさでの井戸端会議が教室の至るところで繰り広げられていた。
「へいへい、ちょっとそこの可愛いお嬢さん。サテンでチャーしない?」
「誘い方が嫌だから断るわ」
私はプリントから顔を上げずに答える。
「まあ、この子ったら高校生にもなって反抗期なのね。いったいどこで育て方を間違えたのかしら」
「いつから薫が保護者になったのよ」
「灯の保護者は由美だろ」
そこに低いハスキーな声が加わってくる。これは隣の席の瀬尾一花のものだ。金色に近い明るい茶色に髪を染め上げ、両耳にピアス、右腕には銀のブレスレッドを付けるなど、あまりこの学校では見かけない派手な格好をしているが、中身はかなり落ち着いた性格をしている。薫とは中学の頃からの仲だそうだ。
「でも距離的には、同じクラスである私の方が親権を持つのに相応しいざます。母親から子供を引き離そうったって、そうは問屋がおろさないざます」
「壁を一枚隔てているだけだけどな。まして休み時間になればいつもウチのクラスに来ているし、全然離れている気がしない」
「まあそれはそうだよね。やっぱり由美の愛情は深さには勝てないですわ。親権は諦めるざます」
薫はそう言っておもむろに私の机に腕を置く。
「そもそも、なんで薫がここにいるのよ。席は向こうでしょ」
薫の席は私や一花の席よりもずっと廊下側でそれなりに離れている。
「橋本さんと交換してもらったの。ほら、お互いにそっちの方がベストでしょ」
確かに前の席の橋本さんと仲の良い人たちは薫の席近くに固まっていた。
「二人とも授業中なのを忘れていなければそうかもね」
「また固いことばかり言うんだね。そんな灯には、こうしてやる」
薫は素早く私が書きこんでいたプリントと筆記用具をとりあげる。
「ちょっと、何してんのよ」
薫はそのまま橋本さんの机に全部持って行ってしまう。
「だってこうしないと全然私の顔見てくれないじゃん」
「由美みたいなこと言わないで」
「えー、いつもそんなこと言われているんだ。まあ想像はつくけどね。きっとそこで二人は幸せに満ちたキスをして、そのままもつれるようにベッドに倒れ込み、一晩中愛し合うのね」
「そんなことしないわよ」
私は容赦なく薫の顔面をわしづかみにする。
「痛いっす、灯さん。マジ冗談っすから、離してくらさい」
「プリントと筆記用具返したら離してあげるわ」
私は全てのものがちゃんと返ってきたことを確認してから、ようやく手を離した。
「あー、痛かった。別にそんな怒らなくてもいいじゃん」
「怒るようなことを言ったのがいけない」
私は再びプリントに意識を戻そうとするが、今の一連のやり取りで集中力が途切れてしまったのか、なんとなくやる気がなくなっていた。
「まあ、いいわ。休憩しましょう」
「えっ。私、アイアンクロ―され損じゃない?」
「三秒で自分の発言を忘れないで」
私は軽く薫の頭を小突く。そこで、そんな私たちのやりとりを傍で眺めていた一花が口を開く。
「前から思ってたけどさ、灯って女王様気質あるよな」
「えっ」
私はにわかに驚かされる。
「ほら、一見して由美や薫に振り回されているようだけど、相手の反応に合わせているのは灯じゃなくて周りの方だろ。由美なんて灯が世界の全てって感じだしさ。それって結局は灯が主導権を握っているってことじゃない」
「あー、たしかにそれは分かるかも。私とかいつもちょっかい出してはその度に成敗されてるし、なんていうか私たち忠実な下僕感あるね。それにほら、この間なんてキス魔の赤沢さんを返り討ちにしたんでしょ」
「その話はもう勘弁してほしいんだけど。さっきから気付かないふりをしているのよ」
「それは無理だろ。なあ、赤沢さん」
「ああ、不可能さ。この私の熱い想いは温度をあげていくばかり。どうして気付かないふりなどできようか」
一花の机の向こうで頭の上から目だけを出し、こちらをじっと見ていた赤沢さんがすくっと立ち上がた。先ほどから私がプリントだけに意識を向けていたのは、彼女のことに触れるきっかけを作らないようにするためでもあった。まさに触らぬ神にたたりなし。しかしそれも一花が触れてしまったので祟られてしまい、逃れられない。
「いや、こっちを恨めしそうに見たって仕方ないでしょ」
一花は横に立っている赤沢さんのことも気にせず、紙パックに入ったレモンティーをストローで吸いあげる。
「そうね、たしかに一花のせいじゃないわ。全部あなたのせいよ、赤沢さん」
「あっ、もしかして話に混ざってもいいのかな」
赤沢さんは全く話を聞く気がないようだ。
「良くない。あなたのせいで最近他の女の子たちからの視線が痛いのよ」
「それこそ私のせいじゃないさ。それに、たとえ世界中の人間に見捨てられたとしても、私はあなたの友達だって言ってくれたじゃないか」
「そんな言い方はしてないわ。第一、友達にキスはしないでしょ」
「キスなんてただのスキンシップだよ。友達同士でしたっていいじゃないか」
「あー、でも実際どうなんだろうね。そういうのってさ」
そこで薫が不意に言う。
「どこまでが友達でどこからが恋人なんだろ。その線引きって結構あいまいじゃない? キスをしたからって恋人になると決まっているわけではないでしょ。灯は真面目だからともかく、女の子同士でふざけてキスとかすることもないわけじゃないし」
「あるの、薫は?」
「あるよ。一花と」
「えっ」
「ああ、そうだな」
薫だけでなく一花も何でもないことのように言う。
「で、どうなの。灯は?」
「わ、私?」
意図せず声が裏返る。
「ホントは由美と毎日のようにキスしまくりなんじゃないの」
「それは私も気になるね。私のことを拒絶しながら、細貝さんにはキスの雨を浴びせていたりしたら、さすがにショックを受けてしまうよ」
赤沢さんも加わり、三人がこちらを見てくる。
「な、ないわよ。キスしたことなんて」
「これは嘘だと思われます、一花さん。顔が真っ赤です」
「茹で上がったタコみたいだな」
「ホントにないって……最近は」
「やっぱりあるじゃん。さすが校内一のバカップル」
「違うって。それは小学生の時の話で、由美が突然キスの味が知りたいとか言い出したからよ。あなたたちだってキスしたことあるって言ってたじゃない」
「えっ、そんなこと言ったっけ」
「全く覚えがないな。空耳じゃないか」
「謀ったのね、二人で」
白々しくとぼける二人を見て、私はようやく嵌められたことに気付いた。
「無論私はたくさんあるけど、それよりも今は灯の唇が欲しいね。ほら、お預けされるほど欲しくなってしまうものだろ」
赤沢さんはこちらにウインクを飛ばす。遠巻きに眺めている一部の女子からの視線が一段と鋭くなるのを感じる。
「もういいわ。私は課題に集中するから、赤沢さんも自分の席に戻ってやった方がいいわよ。授業中に終わらせるように言われたでしょ」
「私はもう終わらせたよ」
「えっ、もう?」
私はまだせいぜい七割ぐらいしか終えていない。
「英語だけは毎日欠かさず勉強しているからね。朝晩はラジオ英会話も聴いてるんだ」
「へえ」
私は素直に感心する。この学校が進学校であるとはいえ、なかなか意識が高い方なのではないだろうか。
「ほら、海外からやってきた女の子も口説き落とすためにはやっぱり相手の言葉を喋れるに越したことは無いからね。ちなみに最近はフランス語も同時進行で勉強しているんだ」
その下心満載の動機を知り、私は感心したことを後悔する。
「それで、何の話をしていたのだったかな」
会話に参加したがっている赤沢さんは、一応これまでの話の流れを汲もうとしているらしい。
「由美と灯の関係がどこまで進んでいるのか、もっと探っていこうって話だよ」
「違うわよ。あなたが聞いたのよ、友達と恋人の境界線はどこからなのかって」
「もうその話題はいいや。だって結局個人差でしかないって結論に落ち着いたじゃん。赤沢さんと灯で分かりやすくケーススタディーしてくれたし。それよりもその前になんか話してたじゃん」
「灯が女王気質だって私が言ったやつか」
「もしかして私、わがままなところあるかのかしら」
私も一花の言葉を思い出すと、ふと心配になり尋ねてみる。
「いや、別にわがままってことはないと思うけど。基本振り回されている方だし。ああ、でも天然入っているよね。天然というか、ナチュラルに振る舞えるというか」
「あっ、そういえば私、今日のお昼のために家からお高いナチュラルチーズ持ってきたんだよね。ワインとよく合うんだってお父さんが自慢げに話していたからかっぱらってきたんだよ」
「全く関係ない話を強引に繋げないで。まさかとは思うけど、そのワインの方まで持ってきているわけじゃないでしょうね」
「さすがにそれはないだろ。あっ、もしかしてそれも天然か」
薫のせいで話が入り混じっていく。灯としては常に鞄にお酒を入れている身内がいるから、思わず訊いてしまっただけだ。最近では物足りなさと預金通帳の残高を気にしているせいで、家で密造しようとさえ目論んでいるらしいがそれこそ今は全く関係ない話である。
「ブドウを発酵させて作ったジュースなら私の水筒に入っているけど?」
まさかそれを同級生の方が先にやっているとは思わなかった。
「一応聞くけど赤沢さんって未成年だよね? まさか留年していたりしないわよね」
「私が飲むわけじゃないよ。年上のお姉さんたちに振る舞うのさ。度数はかなり強いから、ちょっと混ぜてしまえば酔った勢いで……」
最後まで聞かずとも目的はハッキリとしている。というか手口が完全に輩のそれだ。
「でもお姉さんが酒豪なら、灯ちゃんにはあまり効果がないかもね。残念だ」
「なんであなたがそれを知っているのよ」
本当に彼女には油断も隙も見せられたものではない。
「ああ、なんだかお腹減ってきちゃった。どうせ次は昼休みなんだし、やることないからお弁当食べても良いかなー」
薫が言う。
「課題のプリントがあるでしょうが」
「そういえばそうだっけ。まあそれは良いとしてさ、灯たちってどこでご飯食べているの。いつも昼休みになると由美ちゃんとどこか行っているけど」
「ああ、それは私も気になるな」
課題をこなしていた一花も興味を示す。
「私が灯に会ったときは、部活棟がある裏庭だったね。そこで私は運命を感じてしまったわけだけど」
赤沢さんはまたしてもキラキラなウインクを飛ばしてきたので、私はそれを手の甲を向けて軽く払いのける。
「たしかに裏庭で食べることも多いわね。それから普通に食堂に行ったり、雨が降っていないときは屋上に出てみたり、非常階段の方に行くときもあるかしら」
「人が来ない場所を選ぶあたりはさすがだね」
薫はニヤニヤしながら言う。
「そういうことじゃないわ。ただ静かな場所の方が落ち着けるから」
「はいはい」
「そんな言い方しないでよ」
「だってさー、私ら仲良くなってからわりと経つのに、お昼一緒に食べたこともないじゃん」
「ああ、そういえばそうね」
高校に入ってからクラスがばらけたために、由美は二人でいる時間が少ないことを嘆いて仕方がなかったので、気づけば毎日二人でご飯を食べるという不文律が出来上がっていた。
「まあ別に良いんだけどさ、その、さ。良かったらさ。いやダメでも良いんだけどさ、今日のお昼とかさ……」
何故かそこで薫は口をもごもごさせる。
「いや、何でもない何でもない。なんでもない侍、切り捨てビーム」
両手を目の前でブンブンと振るわれ、私はのけぞって避けなくてはならなかった。
「なんか変よ、薫。いつものことではあるけど」と私が首を傾げていると「まあ許してあげてくれよ、ちょっと緊張しているだけだから」と一花が軽く笑いながら言ってくる。
「緊張?」
「そう、昼食一緒に食べないかって誘いたかったんだよ」
「あー、一花。言わないでよ」
「いや、言わないと伝わらないだろ。というか話の流れで灯も分かるだろうし」
「それはそうだけど、こうもっと心の準備というかなんというか」
「なんで昼食に誘うだけでそんなに心の準備がいるの」
私はやはり腑に落ちないでいた。
「だ、だってー、灯を誘ったことでもしかしたら由美ちゃんの恨みを買ってしまうかもしれないでしょー。私、由美ちゃん敵に回したくないもん」
「あなたは私の親友のことを何だと思っているのよ。たしかに由美は私との時間を大切にしたいとは言っていたけど、お昼を他の友達と一緒に食べたことぐらいあるわよ」
「高校に入ってからは?」
「それは一度もないけど」
「じゃあ中学のときは何回ぐらいあったの?」
「三回ぐらいかしら? 一泊二日の修学旅行のときは他にも人がいたし」
そこで微妙な空気が流れる。
「それはノーカンでしょ、普通に考えて」
「想像以上だったな」
薫だけでなく一花までも顔を引き攣らせる。
「でもこの前は私のことを誘ってくれたよ」
赤沢さんが思い出したように言う。
「ええ、私は何度も友達を誘ったことはあるわ。でも皆、邪魔をしたくないからとかなんとか言って断るのよ。別に邪魔なんてことはないのに」
断られ過ぎて本当は自分が嫌われているのではないかと思ったこともあったぐらいだ。いや、実際のところは未だに分からないのだが。
「本人がそう思っていても、周りは気を遣うだろうな」
一花は手に持っていたシャーペンをくるりと回転させる。気づけば一花も課題のプリントを終わらせたようだ。私もそろそろ最後の大問に取り掛からなくてはと考える。
「それにやっぱり皆、由美のことを気にしていたんじゃないか」
「だよねー」
一花の言葉に薫も頷く。私には微妙に彼女たちの言っていることが分からないでいる。私の顔を見た薫が、「灯は鈍いから気付かないのかもしれないけど」と付け足す。
「まあそれはよく由美にも言われるし、なんとなく自覚はしているわ」
私はいじけて下を向いてプリントを見る。
「でも由美に関して言えば、灯のせいとは言えないところもあるんじゃないかな」
私のことをフォローするように一花が言う。
「誰だって自分の好きな人には、多少なりとも恰好良いところを見せたい気持ちはあるんじゃないか。たとえそれが気の置けない幼馴染でもさ」
私と由美は嘘や隠し事などする隙間もないぐらいいつもぴったりとそばにいて、何でも言い合える仲だとは思っているが、言われてみれば私だって後からバレてしまうだろうと分かっていることでも、今は話さないでいようと思うことは何度もある。ましてや私よりも由美の方が人間関係の機微を感じとることに長けているので、私よりも考えていることはもっと複雑なのだろう。
「それで、結局どうするさ、お昼は。私はどっちでもいいけど」
一花は薫の方を見る。薫はおずおずと私の様子を窺っている。
「そうね、一緒に食べましょう。せっかく誘ってくれたわけだし」
「由美ちゃんにはなんて言うの」
いつになく心配そうな顔で薫が尋ねる。それほど怯えるほどなのかとやはり首を傾げたくなる。
「思っていることを話すわよ。私が薫たちと一緒にいたい気持ちは偽りないのだから、きっと由美だって分かってくれるわ。もし仮にむくれたとしても後でなんとかするわよ。これでも由美の機嫌をとるのは慣れているもの」
「ときどき灯はすごく頼もしくなるよね」
「そうそう。まさに灯ちゃんのそういうところが私のハートを鷲掴みにしたのさ。ところで私ももちろん混ぜてもらっていいよね」
私は眉間にしわを寄せてあえて露骨に嫌な顔をしてみせた。
「取って食おうってわけじゃないんだからそんな顔しないでおくれよ」
「いや、まさしく食べてしまおうとするじゃない。薫たちはともかく、赤沢さんがいるって話したら絶対に良い顔しないわよ」
「そんなこと言わないでおくれよ。私は由美ちゃんとも親交を深めたいと思っているんだから。いつも明るくはつらつとしている彼女が見せる表情はどれも素敵だよ。特にキミの前だけで浮かべる極上の笑顔は開いた花のように華やかなのに対して、時折隠し持っている棘を見せるのも全てはキミという存在を守るためであり彼女自身のエゴでもある、そんなところがまた彼女の魅力なのさ。ああ、できることなら、あのうっすらとした可愛いらしい唇も味わってみたいものだ」
完全に自分の世界に入っている赤沢さんのことは放置する。
「あれ、もしかして今日は皆で一緒にお昼食べるの?」
するとそこで、自分の席に戻ってきた橋本さんが声をかけてくる。
「そうなりそうだね」
一花が返事をする。
「木下さんも?」
橋本さんが興味深そうにこちらを見てくる。
「うん、そうだけど」
「じゃあさ、私も一緒にいいかな」
「えっ」
意外な提案だったので思わず声をあげてしまう。
「いや、木下さんって毎回昼休みには違うクラスの子……たしか細貝さんだっけ、あの子とどこかに行っているでしょ。ほら、私たち、席は近いけどあんまりちゃんと話したことなかったじゃない。私、前から木下さんともっと話したかったんだよねー」
「赤沢さん、今日は私たちとご飯食べてくれる約束じゃなかったの。なんか最近木下さんにかまけてばかりで全然相手してくれないよね」
すると赤沢さんのことを慕っている子たちも話に入ってくる。
「そういえばそうだったね、ごめんよ。うーん、どうしたものかな」
「ああ、じゃあ私たちも一緒でいいかな」
そして私に聞いてくる。
「えっ、えーと私は別に……」
「良かった。じゃあ他の子にも話してくるね」
私が戸惑っている間にもどんどんと拡散されていく。
「あれよあれよという間に大所帯になっちゃったね」
話を切り出した当人である薫も驚いて辺りを見渡している。
「まあいいんじゃないか、たまにはこういう賑やかなのも」
一花は紙パックを軽く振って中身を確かめている。私はただ唖然とするばかりで、また由美にどうやって説明すればいいのか分からず、天井を仰ぎ見るしかなかった。
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