作者様の個人的体験談にして、おおげさに言えば(もしかしたら)普遍的、飾らず言えば、「私にもそんな記憶が」。猫の言葉という、架空でいて架空でない題材に、作者様のしっとりとした筆の味が糸を染めるように馴染んで、甘さも苦みもとろりととけていきます。あなた様は、いかがですか?
筆者さんが実際に経験した猫にまつわるエッセイです。日常生活の中で、意識していなければ見逃してしまうような小さな変化をすくいとり、そこに物語を感じ取る……そんな秋色さんから見た世界は、とても優しい色に見えることでしょう。