転生~幼年期 第5話

5.収納の検証


お宮参りを終えて数日。この間おれはいつものルーティーンをこなしながらホッテイソの加護を得たと同時に発現した『収納』の検証をおこなった。


現在の俺のステータスはこんな感じ。


鑑定結果:シンバ(2) 人族 男

     Lev12

     職業 無職

     経験値1653/12288

     HP9/9

     MP7/7

     STR2 

     DEX1 

     VIT2 

     AGI1 

     INT3 

     LUK12 


どうやら加護によるステータス補正は微々たるもので、お子ちゃまな俺程度のステータスには何も変化も現れなかった。経験値が若干上がったがこれはここ数日の鍛錬の成果だろう。ちなみにSTR以下に表示されていた各項目については「消えろ」と念じたら非表示となった。非表示となったことに驚き、慌てて「表示」と念じたら再表示されてほっとしたことは内緒だ。今は非表示にしている。文字数にも影響あるからな。何のこと?


さて『収納』だ。

ピコン様の説明では確か

「・・・『収納』重量 魔力量×10kg、容量 魔力量×1㎥が使えます。」

とのことだった。現在の俺の魔力量は6。つまり重量60kg、容量6㎥のものを収納できるのか。確か米俵が1俵あたり60kg。商店ダイホウの倉庫に積んであった米俵に手を触れ、『収納』と念じた。


・・・消えたよ。父親ニアマと祖父のイチジ爺さんに『収納』を見せてもらったときと同じだ。ん?取り出しはどうするんだ?

ピコン様の説明を思い出してみる。

「・・・収納スキルの第2段階が解放されます。収納排出範囲拡大、収納排出速度自在を使用することができます。」

『排出』と念じると見えないが米俵があることを感じた。俺は米俵がもともと積んであった場所に手をかざすと、米俵が現れた。


・・・本当に収納が使えるよ。ファンタジーの王道だよ。チートだよ。

ファンタジーの王道スキルを手に入れて興奮した俺は、倉庫にあるものを手あたり次第『収納』を試した。


米俵2俵は無理だった。2俵目を『収納』しようとしたときに胸がつかえるような感覚が起こり2俵目は収納できなかった。おそらく重量制限にかかったのだろう。

椅子などの比較的軽いものは複数個収納できた。また、『収納』『排出』ともに手に直接触れなくても可能であった。収納したいもの、排出したい物と場所を明確にイメージすれば簡単にできた。

また、MP消費するのか気になったが、MPは全く減少していなかった。経験値はもちろん、グフッ。加算されてたよ。


こうして俺は『収納』スキルに大満足したのであった。でもね、まだ試してないことがあるんだ。「・・・収納排出速度自在を使用することができます。」これがもし本当なら。でも今は試さない。



平成の営業マンは安全第一なんだよ。だってコンプラとか煩いからな。


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