転生~幼年期 第3話


3.転生から1年


どうやら俺は本当に転生したようだ。しかも異世界。

黒髪黒目の家族、着物の常用、生活レベル等からざっくりと日本の江戸時代後期に転生したのかと当初は思ったが、俺に加護を授けてくれた神様?名をベザイテーンと言ったか、明らかに前世の弁財天。その加護を授かった神社もアワージのミョーケンザン。淡路島にある妙見山だよな。スキルとかレベルとかあるし、なにやら魔物とかいう存在もいるらしい。間違いなく過去転生ではなく、異世界転生だ。


ファンタジー来たぁー 剣と魔法の世界来たぁー

と最初は喜んだよ。でも剣と魔法、微妙なんだよな。『鑑定』しか使えないし。どうやら俺の父親ニアマも祖父のイチジも鑑定は使えるのだという。二人は家業である雑貨商店を営む中でいつのまにか『鑑定』を使えるようになったようだ。驚くことに『収納』なるスキルも持っているのだとか。目の前で米俵が出たり消えたりしたのを見せつけられた俺の驚き様を見せてやりたい。なぁ?異世界転生『鑑定』持ち。。。ぬか喜びだろ?微妙だろ?


でもな、来たんだよ。先日。転生から約1年。

『鑑定』連打→魔力切→寝落→空腹大泣→おっぱいトントンケフッおしめ交換→戻る

の無限ループが

『鑑定』連打→魔力切→寝落→朝飯→勉強→遊ぶ→昼飯→『鑑定』連打→魔力切→昼寝→遊ぶ→夕飯→戻る

と、少しタスクが増えたけど成果が出たんだよ。それはな、、、、


『鑑定』

ピコン

「経験値が規定値に到達しました。レベルが10となりました。ステータスに補正がかかります」

「経験値が規定値に到達しました。鑑定スキルの第2段階が解放されます。対象のステータス、簡単な説明を鑑定できます」

鑑定結果:シンバ(1) 人族 男

     Lev10

     職業 無職

     経験値0/1536

     HP7/7

     MP4/4

     STR1 力の強さ 物理攻撃力、所持武器、荷物量

     DEX1 器用さ、命中率、クリティカル率

     VIT1 丈夫さ、持久力、物理防御力

     AGI1 敏捷性

     INT2 知力、魔法攻撃力、精神力

     LUK8 運 クリティカル率、ドロップ率、生産成功率


名前と性別程度の鑑定結果にステータスが新たに追加されたのだ。

興奮した俺は家族を鑑定しまくった。

結果、特に俺のステータスがチートということはなかった。傾向として年齢を重ねる毎に各種ステータスは上がるようであった。ちょっと安心したのは内緒だ。俺Tueeeeはちょっと恥ずかしいからな。まだ1歳だし。


まぁ結論から言うとスキルにも段階がある可能性が出てきた。だってまだ俺の『鑑定』結果に加護とかスキルが出てないだろう?親父や爺さんや家族もしかり。

まずは今現在のできることを継続してやろう。異世界だし、いつ何時何があるかわからないからな。



平成の営業マンはコツコツと地味な努力を好むんだ。だって一攫千金のチャンスなんてなかったからな。バブルはじけて失われたウン十年だったし。

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