第8通 国家公務員時代の郵便屋さんの試験の裏話。中編。

今回はバブル期の郵便屋さんの人手不足の主な理由を述べたいと思います。


何度も言いますが、時はバブル期最盛期!ジュリアナトーキョー!!の時代です。

流石に東京のジュリアナの様にはいきませんが、私の地元でも商業施設の最上階に男性はスーツにネクタイでないと入れないディスコができ、その商業施設を取り囲む道路では夜な夜なディスコで遊んだ女の子をナンパに来る車で溢れかえったり、まさにバブル。

数年後にバブルが弾け、そのディスコも閉店になるわけですが、私が住んでいる田舎でもこの騒ぎです。


この当時の一流大学生の就職内定率はめちゃくちゃ高く、卒業までに内定が4、5なんて普通で、どの会社にし・よ・う・か・な?とトランプの様に選ぶ程です。

企業の方も人材をライバル企業に取られたく無いから青田刈りと称した、内定を出した大学生に就職支度金としたちょっとしたお小遣いを渡したり、事前研修と謳った小旅行に連れて行ったりしてなんとか我が社に就職させようといろいろやってたみたいです。


このバブルの象徴を表す言葉に3高というものがありました。

* 高学歴

* 高収入

* 高身長

高学歴、高収入は分かりますが、高身長というのはいかにもバブルらしいでしょ?

とにかくスマートにカッコいいものに憧れる時代でしたからね。

ソース顔より醤油顔がウケる時代なんですよ。


そしてさらに3Kという言葉が流行り始めます。

* 汚い

* きつい

* 臭い


今では標準語になっている超ウケる〜とか、超ムカつく〜の"超"が付く言葉も若者言葉としてこの頃に生まれました。


そんな華やかな時代の郵便屋さんの就活状況は人材確保で大変だったようです。


この時代の郵便屋さんは天下の国家公務員。

採用さえされれば後は安定した給料。安定したボーナス。安定した福利厚生。安定した休み。安定した勤務時間。安定した…と、とにかく安定した職種です。

 

が、とにかく給料が安い!!もう本当に泣けるぐらい安かったのです。

他の企業と比べても同じバブル期を過ごしてるのがウソみたいに安いのです。


その当時の高卒の私の初任給が残業含めて手取り 約13万円。

つい先日まで、まだ時給が680円〜800円の高校生活時を含めバイト生活でのお給金に比べると


「やった!こんなにもらえるんだ!!」と大はしゃぎ。

まだ、世間を知らないピュアな年頃です。


で、地元の大手企業に就職した友人に初任給を聞くと…


手取りで約18万円。


これには腰を抜かしました。

バブル期とはいえ給料格差が民間企業と公務員とでは大きな開きがあったのです。


* 令和の現在、郵便屋さんになりたがらない主な理由。


令和の現在でも郵便屋さんは人手不足ですが、先程にも述べた3Kが主な理由です。

夏は異常に暑い。冬は寒い。雨でも当然配達。一般道の排気ガスの中バイクで配達(鼻毛もよく伸びます)正月、お盆も当然仕事。

交通事故の危険性はある。

体力仕事でもある。



* バブル期の郵便屋さんになりたがらない主な理由。


バブル期最盛期での民間企業の売り上げ高に対して、どんなに収入があっても基本給にはほとんど響かない公務員。

さらに3K職種とくれば郵便屋さんになりたがる人なんていません。


バブルで儲かるウハウハな企業でガンガン稼ぐのが普通な世の中で、給料の安いお堅い公務員の人気の低い事、低い事。

公務員なんて面白みのないクソ真面目な人がやる職業だと負のイメージがこの当時はありました。私にもありました。


そう、とにかく給料が高い民間企業に就職できる門が大きく開いてるのに、給料の安くて地味な国家公務員の3K職種にわざわざ就職したがる人なんて少ないのです。これがバブル期の郵便屋さんの人手不足の大きな理由です。


で、人材確保の為に郵便屋さんのお偉いさん方もあの手この手と奇策を考える訳です。

その奇策とは?

後編に続きます。

今回もご愛読ありがとうございました。

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