第48話 気分が悪くなって帰ってきた屋敷から天使な息子を誘拐されてしまいました
泣き出したら困るということで、天使な息子のシャルルちゃんをアリスが部屋で面倒を見ている間に私はエドの馬車に乗った。
私は天使な息子のシャルルちゃんが生まれてから、初めてのシャルルちゃんを置いての外出だった。
私は最初は偶には良いだろうと、思ったのだ。
毎日毎日ずうーっとシャルルの面倒を見ていたのだ。たまの息抜きもいいだろうと。
それにシャルルの朝の態度が気に入らなかったのも少しある。ずうーっと心配して面倒見ていた実の母親に抱かれて泣くというのはどういう事なのだ!
それに何か気分が変だ。少しだるい。こんな時にシャルルの相手していたらあたってしまうかもしれない。
馬車はゆっくりと王宮に向かって走っていた。
馬車の中は静かだ。
エドが珍しく黙っているし、私もエドと話すことなんてなにもない。
と言うか、天使な息子のシャルルちゃんがいないと間が持たない。
考えたらここ最近ずうーっと私はシャルルちゃんの世話をしていて、一人きりになるということが無かったのだ。
なんか、手持ち無沙汰だ。
というか、だんだん不安になってきたんだけど。
確かにアリスは戦闘能力はあるし領地から連れてきた騎士たちも10人くらいはいる。
それだけいればある程度の戦力になるが、騎士たちは屋敷の周りの警備がメインだった。
屋敷の中の警備は手薄と言えば手薄だった。
いつもは私がいるから問題はなかったが、今日はその私がいないのだ。
もっと騎士を多く配備すれば良かった。
と言うか、弟か父を呼び寄せれば良かった。
彼らがいれば問題はなかったのだ。
今回の訪問が急遽決まったから何もしなかったというか、出来なかったのだ。
そう言えば朝から天使な息子のシャルルちゃんが機嫌が悪かったのも気になった。何か具合でも悪いのだろうか?
私は段々不安になってきた。
侍女がアリスなら、すぐにいつもの私ではないと判ったかもしれないが、今日の付き添いの侍女は、メリーもシャルルのために残したので、新人だった。侍女は主人の私と王太子と一緒ということでとても緊張しているのが判った。当然私の体調など気にしてもいなかった。
馬車が王宮についた。
エドが手を差し出してくれて私が歩こうとした時だ。
私はめまいがした。
「えっ?」
そのまましゃがんでしまったのだ。
「だ、大丈夫か? ジャンヌ!」
エドが慌てて私の側にしゃがんでくれた。
「大丈夫、ちょっと立ち眩みがして」
「えっ? ジャンヌが立ち眩みって、健康だけが取り柄のお前がどうしたんだ?」
めちゃくちゃ失礼なことをエドが言ってくれるが、私はそれどころではなかった。
「ごめん、エド、ちょっと無理。陛下等にはあなたから謝っておいて」
私はそう言うと立ち上がった。少し立ち眩みがしたが、なんとか立てる。
なんか、シャルルのことも気になるし、こんな気分がわるいのだったら陛下に会っても仕方がない。
私は一人で帰ろうとしたのだ。
「何言っているんだ。体調が悪いのだったら、俺が屋敷まで送っていくよ」
そう言うと、慌ててエドが今降りてきた馬車に、私を乗せてくれた。
そのまま、慌てて馬車を屋敷へ返してくれたのだ。
私はなんかとても不安な気持ちになったのだ。
天使な息子のシャルルちゃんが今日は朝から不機嫌だった。何か不穏な気配を感じていたのかもしれない。そうか病気なのかも。私は無性に心配しだした。
それに今の気分は最悪だった。
おそらくあれが復活したのだ。妊娠中と出産してからは関係なかったのだが、まさか、今日復活しなくても良かったのに!
私は唇を噛んだ。
そう、この時は魔力が弱まるのだ。
まずい。
私は気ばかり焦っていた。
そして、屋敷が近くなった時だ。
ドカーーーーン
爆発音がした。
「エド急いで」
私は叫んでいた。
屋敷に着くと屋敷の各地が破壊されて、煙がもうもうと出ていた。
そして、私は
オギャーーオギャーー
と泣き叫ぶシャルルちゃんを連れて走って止まっている馬車に乗せようとする黒尽くめの男を見つけたのだ。
「何をしているの!」
私は完全に切れた。
馬車に乗り込もうとする男の足元に爆裂魔術を浴びせようとして
「危ない」
私は横からエドに押されたのだ。
「えっ」
私は馬車の開いた扉から落とされたたのだ。次の瞬間に私は地面に激突したが、その時に馬車が爆発したのだ。
爆裂魔術が私が今まで乗っていた馬車に命中していたのだ。
普通ならば受け身を取るのだが、体調不調だったので、障壁を張るのも受け身を取るのも遅くなってしまったのだ。
私は激痛の余り気を失ってしまったのだ。
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ここまで読んで頂いて有難うございました。
ジャンヌ最大の危機到来です。
続きは明日。
フォロー、評価等まだの方はしてもらえたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾
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