第140話 どうやら疑問に思ったらしい
俺の両親はともに教師で、考え方が堅い。
その息子である俺は、勉強は苦手じゃなかったが、性には合わなかった。
心を満たしてくれるのは音楽だった。気の合う連中とバンドを組んだ。担当はキーボード。
学校を卒業する前、迷ったけれど、その道を続けていく決心をした。
親には、絶対に賛成してくれないと判断し、何も言わなかった。
二人は驚いただろう。何も知らずに息子がテレビの音楽番組に出てきたのだから。
その後すぐに、電話をよこした。
「典之、あなた——」
怒るのか、認めてくれるのか、と俺は緊張して続きの言葉を待った。
「あれ、ちゃんと弾いてた?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます