第117話 なぜかやたら信頼されているらしい

 スーパーでパートをしている私の同僚に、大学生の美鈴ちゃんというコがいる。

「あの男性のお客さん、いつも値引き商品を買って、ケチですねえ」

「でも、結婚するならああいう人のほうが、浪費する人よりいいんじゃない?」

 そう私が返して、しばらくしてから——。

「私、婚約したんです」

 彼女のその相手はなんと、自らがケチと言った人だった。

 また、こんなこともあった。

「私、すごく考えて、やっぱり前に話したあの施設に就職することにしたんです」

「ああ、あの駐輪場がないとこね」

 すると、彼女は就職先を変えてしまった。

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