第116話 理想の上司を目指してます

 会社で、部下の女性が暗い顔をしていた。

「川俣さん、どうかされましたか?」

「ああ、うちの子が受験する学校を、制服が可愛いなんて理由で決めたもので」

「そうですか。しかし、若いうちはみんな、そんなものですよ」

「でもうちの子、男なんです」

「男のコでも今はおしゃれですからねえ」

「でも男子は、普通の学ランなんです」

「ええ? それは……」

「女子の制服が可愛いという理由で決めたんです」

「そいつはもうフォローできないなあ」

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