第2話 ヒーロー

「キャー!」

「黙れ。おとなしくしろ。グヘヘヘヘ」

 若い女性が、三人の男たちに乱暴されそうになり、身を丸めた。

「グアッ」

 そう声がして女性が顔を上げると、男どもはたくましい男性に倒されて気を失っていた。

 女性を救った男性は、「どうかお気をつけて」と言い残して、去っていこうとした。

「待って! せめてお名前を」

「……私は、ケーキバイキング大好き人間と申します」

 男性は走って遠くへ行ってしまい、女性は寂しげな表情でつぶやいた。

「名前、訊くんじゃなかった」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る