調べ
「ぼく、もう、覚えた!」
勢い良く身震いすると雪が落ち、白猫だった黒い仔猫はもとの黒猫に戻りました。「ねぇねぇ、歌うたいの猫さん、ぼくのオルゴールの歌、聞いてくれる?」
「うん。いいよ」
歌うたいの猫がうなずくと、黒い仔猫は覚えたばかりの調べに乗せて、地上で大好きだった
「次は、あたし」
黒い仔猫がうたい終わると、白い仔猫がうたい始めました。白い仔猫は、楽しかったこと嬉しかったことを次々に歌詞にしました。
仔猫たちの歌を聞いているうちに、歌うたいの猫の目から涙がひとすじ
白い仔猫はびっくりして歌うのをやめました。
歌うたいの猫は慌てて目をこすりました。
「あっ、ごめん。雪が目に入っちゃっただけだよ。続けてうたってよ」
ふたりは顔を見合わせてから、白い仔猫が言いました。
「あたしのお歌は、ちょうど終わるとこだったから。ねぇ、今度は歌うたいの猫さんのオルゴールのお歌、聞かせてほしい」
「ぼくも聞きたいよ、歌うたいの猫さん」
歌うたいの猫は泣き出しそうになりましたが、どうにか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます