雪のオルゴール

雪だるま

 虹の橋に雪が降っています。時計塔のてっぺんで歌いながら、雉白もようの猫は悲しそうに雪の降る船着場を見ていました。




 うたい終えた猫を乗せて星屑のブランコが降りてくると、時計塔の下で待っていた黒い仔猫と白い仔猫が先を争うように言いました。


「見て見て、歌うたいの猫さん! ちっちゃい雪だるまが、ぼくたちの上に降ってきたんだよ!」

「それもね、ほら見て、あたしたちにそっくりでしょ!」


 白い仔猫の言ったとおり、小さな雪だるまはどこかふたりに似ていました。

 虹の橋の街に住むようになって日の浅いふたりには、初めての雪です。歌うたいの猫は、おおはしゃぎの仔猫たちに教えました。

「それは、雪のオルゴールっていうんだよ」


「雪のオルゴール?」

「雪だるまじゃなくて?」

 ふたりはキョトンとして、問い返します。


「そうだよ。雪だるまに耳を近付けてごらん」



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