最終章 未来へ……

第21話「崩壊の序章」

ダークウルフ達がゴッドゾンバットを打ち破り半年が経過した。


全てのゾンバットは消滅し、平和が戻っていた。

神楽木守人は大我との約束通りエリアゼロを開放し、外の世界と自由に行き来が出来る様になった。

街は再び1つとなり新たにネオTOKIOシティーと名付けられた。

人々が平等に生きられる時代が到来していた。


大我がハイウェイを『ウルフダッシュ』で疾走する。


神楽木守人はエリアゼロ開放後、国家安全保安局の長官の座を退き姿を消していた。


そんな神楽木の事を思い出しながらも大我は目的地に到着。

大我がやって来たのは旧エリアゼロにあるフラワー園。

子ども達が大我に駆け寄って来る。

「大我ー!!」

「よぉ、皆元気か?」

「もちろん!僕達これから学校なんだ!」

「ああ、聞いてるよ。気を付けて行って来いよ」

「うん!」

フラワー園に居た孤児の子ども達は今まで学校に行けて無かったが、エリアゼロが解放されてから学校へ通える様になっていた。


「おや、大我早かったね」

園長の友子が子ども達を見送りついでに大我を出迎えた。

「ああ、子ども達にも会いたかったしな。……園長、誕生日おめでとう」

「ありがとう……まぁ、あんまりめでたい年でも無いけどね……」

そうこの日は花田友子園長の誕生日だった。

「57歳……まだまだこれからじゃないか」

「余計な事覚えなくて良いんだよ!」

友子がコツンと軽く大我の頭を叩く。

「あいてっ……ハハッ……」

「愛姉や貴明は?」

「2人はまだだよ。まぁ、2人とも忙しいだろうし無理して集まらなくても良いんだけどね……」

「そうは行かないさ……園長の誕生日を祝うのを皆楽しみにしてるんだから……」


その頃、ファイアイーグルこと、悟は、宅配のアルバイトをしていた。


「ふぅ〜……今日も配達が多いな……ったく……折角バイトが見つかっても全然生活が楽にならねぇや……」

そんな事をボヤキながらも宅配便の車を走らせる。


悟の車の前に待ち構えていたのは……。

「危ねっ!!」

悟は急ブレーキを踏む。

「おいおい!何処に突っ立ってんだ!!危ないだろーが!!」


「ファイアイーグルか……貴様を力……狩らせて貰うぞ……」

「何っ?」

その人物は姿を変貌させた。

その正体は……。

悪魔ヴァラルガンだった。

悟は車から降りる。

「お前……俺を知ってるのか?」

「フフフッ……そうか……この姿で会うのは初めてだったな……我が名はヴァラルガン……覚えているか?」

「ヴァラルガン?……まさか神楽木透真に巣食っていた悪魔か!」

「そうさ……良く覚えていたな」

「馬鹿な……お前は神楽木透真……ゴッドゾンバットと一緒に倒したんじゃ……」

「ハハハハッ……そんなわけないだろう……アレはただ器を失ったに過ぎん……俺は本来まだ何のダメージも負っていないぞ?」

「なるほどな……なら今度こそ倒してやるまでだ!!」

悟は『変身』

ファイアイーグルが登場し構える。

「散々邪魔をしたお前達だ……これから始まる世界崩壊にもどーせ首を突っ込んで来るんだろう?だったら今の内に消してやるよ……」

「世界崩壊だと?何を企んでるか知らねぇが……お前の好きにはさせねぇ!!」

ファイアイーグルが飛び掛かる。

「はっー!!」

ヴァラルガンは闇の衝撃波を放つ。

「ぐわっ!?」

ファイアイーグルは闇の衝撃波を受け地面に叩きつけられる。

「ぐっ……クソッ!」

更にヴァラルガンの攻撃。

闇の炎がファイアイーグルを囲む。

「うわっ!?……けっ、俺に炎で攻撃とは……舐められたもんだぜ!!」

ファイアイーグルは空に飛び立つ。

だが、闇の炎はファイアイーグルを追って上昇。

「何っ!?」

闇の炎はファイアイーグルを包み込み焼き尽くす……。

「ぐわぁぁぁっ……!?」

「その炎からは決して逃れられない……お前の魂ごと燃やし尽くしてやる……」

「ぐわぁぁぁっ……!?」

闇の炎の中で藻掻き苦しむファイアイーグル。

「フンッ……そろそろトドメだ……」

ヴァラルガンは闇のエネルギーを右手に集める。

ヴァラルガンの闇のエネルギーがファイアイーグルを攻撃。

「うわぁぁぁぁっ!?」

それと同時に闇の炎も消し飛び変身が解除された悟が力尽きて倒れる。

「うっ……馬鹿な……」


「まずは1人……」

ヴァラルガンは去って行く。


そこを増見陽介が通り掛かる。

「ん?あれは……」

陽介はバイクを停め悟に駆け寄る。

「おい!木島!どうした?しっかりしろ!木島!!」

陽介が悟のベルト型の変身アイテム『イーグルチェンジャー』を見てみると中央に穴が空き破損していた。

「まさか……おい!木島!木島!」

陽介は急いで悟をバイクの後ろに乗せ病院へ向かう。


陽介が病院に向かっていると雨が激しく降ってきた。

「クソッ……こんな時に雨か……」


フラワー園ーー

「おや、雨が降ってきたよ……愛達大丈夫かね?」

「結構強いな……」


その頃、愛と貴明は合流していた。


「ねぇ、貴明!アレ見て!」

「え?」

愛が指差した先には……少しずつ闇が広がり空を覆っている光景が見えて来た。

「何だ……?何が起きてるんだ?」

貴明がノートパソコンを開いて調べてみる。

しかし……。

何故かパソコンはショートし壊れてしまう。

「うわっ!?」

パソコンからは煙が出ている。

「え?何っ??」

「分からないけど……電波障害が起きてるみたいだ……」

「とにかくフラワー園に急ごう」

「うん!」


愛と貴明は急いでフラワー園に向かう。


土砂降りの雨の中、なりふり構わず走る愛と貴明。


その頃、陽介は病院に悟を送り届けていた。

医師や看護師達が担架で悟を運ぶ。

「悟!病院に着いたぞ!頑張れよ!!」

陽介は必死に声を掛ける。


愛と貴明はフラワー園に到着。

「ひぇ〜……びしょびしょ……」

「参ったなこりゃ……」

「2人共大丈夫かい?」

友子が2人にタオルを持ってくる。

「ああ……サンキュー……所で大我は?」

貴明が体を拭きながら尋ねる。

「中で待ってるよ」

体を拭いた貴明は急いで大我の元へ。

「大我!!」

「貴明……大丈夫か?」

「うん……それより空がなんか変なんだ……」

「え?確かに……雨雲にしては暗すぎるな……」

「うん……それに電波障害まで起きてる……パソコンが使えないんだ……」

「何っ……?一体何が起きてるんだ……」


その頃、竜一はアルバイト先のカフェに居た。

「凄い雨だなぁ……」

「すみませーん」

窓際の席の女性客が呼ぶ。

「はい!只今お伺いします」

竜一が行くと……。

「あの……このアールグレイティーをホットで……」

だが、竜一の目に止まったのは……。


外に居たヴァラルガンだった。

「あの……」

「アイツは!!」

竜一は店を飛び出す。


「フフフッ……よぉ、ライトニングレオ……」

「お前……何者だ!!」

「我が名はヴァラルガン……神楽木透真に取り憑いていた悪魔……と言えば分かるかな?」

「何だと……」

「お前の力は邪魔になる……消えて貰うぞ」

ヴァラルガンは闇の衝撃波を放ち竜一を攻撃。

「うわっ!?」

竜一は吹き飛ばされる。

「ぐっ……まだ……戦いは終わってないと言う事か……」

竜一は『レオチェンジャー』で『変身』

ライトニングレオが登場し構える。

「行くぞ!!」

ライトニングレオの先制攻撃。

しかし、ヴァラルガンは微動だにせず軽くあしらう。

「くっ……」

ヴァラルガンは闇のエネルギーを右手に集める。

「喰らえ……」

闇のエネルギーを放ちライトニングレオに攻撃。

「ぐわぁぁぁっ……!?」

この攻撃はライトニングレオだけでなく竜一がアルバイトをするカフェまで巻き込んでしまう。

「きゃっー!?」

窓際に座っていた女性に衝撃と割れたガラスの破片が襲い掛かる。

「ぐっ……なんて事を……」

「フンッ……遅かれ早かれ消える命だ……この世界の崩壊と共になぁ」

「世界の……崩壊だと……?」

「フフフッ……フハハハハッ……!!」

不敵に笑うヴァラルガン……。


続く……。

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