ダークウルフ

第19話「死闘の果てに……」

神楽木透真は自らを異形の怪物に変貌させゴッドゾンバットを名乗った。

「くっ……だがコイツを倒せば終わる！行くぞ！」

「おう！」

ライトニングレオとファイアイーグルがゴッドゾンバットに戦いを挑む。

ファイアイーグルは空を飛び空中から攻撃。ライトニングレオは肉弾戦に持ち込み二手に分かれて攻撃を仕掛ける。

「フンッ……目障りだ！！」

ゴッドゾンバットはファイアイーグルを叩き落とす。

「ぐあっ！？」

「悟！！クッソ！！」

ライトニングレオが更に攻撃。

「お前も邪魔だ！！」

ゴッドゾンバットはライトニングレオをなぎ払う。

「うわぁぁぁっ！？」

「クッソ……つ……強えぇ……」

ファイアイーグルは必死に立ち上がろうとする……。

その頃、ダークウルフとブリザードタイガの戦いは更に激しさを増していた。

ダークウルフは『シューティングフォーム』にチェンジ。

両肩の『ウルフシューター』から光弾を放つ。

だが、ブリザードタイガは必殺技『ゾンバットハリケーン』を発動。

ダークウルフの攻撃を防ぎ更にダークウルフにダメージを与えた。

「ぐわぁぁぁっ……！？」

「夜月大我……お前を……倒す！」

ブリザードタイガはダークウルフに迫る。

「くっ……」

ダークウルフは何とか立ち上がる。

「増見！！お前……そうまでして力が欲しいのか！！」

「当たり前だ！俺は強く……誰よりも強く無くてはならない！！その為なら例えゾンバットの力だろうと……」

「増見……俺達の戦いはもう終わる！これ以上……強くなる必要は無いんだ……」

「嘘だ！ゾンバットが居る限り俺達の戦いは続く……だからこそ……奴らに勝てる絶対的な強者が必要なんだ！！俺がその存在となって……必ず……」

「その力は……擬い物の力だろ……」

「何っ？」

「俺達の力はゾンバットから大切な人達を守る為にある！それなのにそのゾンバットの力を利用してどうする！？そんな力で勝って何の意味がある！！」

「黙れー！！」

ブリザードタイガがダークウルフを殴り飛ばす。

「ぐっ……目を覚ませ増見！！今のお前の力はその大切な人達をも傷付きかねない……そんな力に頼っていては本当の強さなんて手に入らないぞ！！」

「ぐっ……」

「増見……ゾンバットとの戦いを終わらせるにはお前の力が必要だ……頼む。戻って来てくれ」

「ぐっ……む……無理だ……」

「何っ？」

「俺の体は既にゾンバットウイルスに侵食されこのままでは本物のゾンバットになってしまう……今更お前と一緒に戦うなんて……」

「ゾンバットウイルスに感染しているのか……やはりゾンバットの力を取り込んだ影響か……」

「だから戦うしか無いぞ！！俺かお前……どちらかが倒れるまで！！」

「……分かった……なら……俺も本気を出そう……だが、お前を救えるかは分からない……それで良いな？」

「ああ……望む所だ」

ダークウルフは『セイバーアクセラレーター』を『ウルフチェンジャー』に装着し反転させる。

ダークウルフは『セイバーフォーム』にチェンジ。

「それがお前の本気か……」

「この力で……お前に勝つ！」

ダークウルフは『ウルフセイバー』を手に構える。

「面白い……これで本当の決着だ！！」

ブリザードタイガが先に攻撃を仕掛ける。

ダークウルフも応戦。

戦いは更に激しさを増した。

互いに一歩も譲らない攻防が繰り広げられる。

「なんとか奴のゾンバットウイルスを除去出来れば……」

「フンッ！そんな事は不可能だ！」

「確かに……今まではそうだった……だが、この力なら奇跡を起こせる……そんな気がするんだ」

「何っ？」

「頼む、セイバーアクセラレーター……増見を救う為にゾンバットウイルスを除去する方法を教えてくれ」

「だから……無駄だと言ってるだろ！！」

ブリザードタイガが襲い掛かる。

その時、『セイバーアクセラレーター』は光輝き始めた。

「何だ！？」

そして『セイバーアクセラレーター』の光はブリザードタイガのベルトに装着されたアイテム『ゾンバットチェンジャー』の核の部分を映し出した。

「これは……そうか、あのアイテムからゾンバットウイルスが注入されているんだ！増見！お前を救えるかも知れない！」

「はぁ？馬鹿な……そんな方法奇跡でも無ければあるわけ……」

「奇跡を起こすんだ！」

「何っ！？」

「増見……その偽りの力に真の強さはない……今それを証明してやる！」

ダークウルフは必殺技『セイバークラッシュ』を発動。

『ゾンバットチェンジャー』にあるゾンバットウイルスの核の部分を正確に貫く。

「ぐっ……」

すると『ゾンバットチェンジャー』は破壊されゾンバットウイルスの核の部分も消滅。

ブリザードタイガのウイルス侵食も治まった。

「大我……お前……」

「奇跡が起きただけさ」

ブリザードタイガの変身が解除され陽介の姿に戻った。

ダークウルフは『セイバーフォーム』を解除し元の姿に戻った。

「まさか……俺が力に溺れるとはな……」

陽介は気を失った。

「お、おい……ったく……」

ダークウルフは陽介を寝かせ先を急ぐ。

「2人は大丈夫だろうか……」

その頃、ゴッドゾンバットと戦うライトニングレオとファイアイーグルは……。

「チクショー……もう……ダメだ……体が……動かねぇ……」

「なんて強さだ……」

2人はゴッドゾンバットに敗北。

戦闘不能状態に陥っていた。

「さて……そろそろトドメを刺すか……」

ゴッドゾンバットが2人に迫る。

「や……やめろ……透真……」

神楽木長官は必死に説得を試みるがゴッドゾンバットとなった透真は全く聞く耳を持っていなかった。

「散々邪魔をしてくれたな……その報いを受けろ！」

ゴッドゾンバットはまずライトニングレオにトドメを刺そうと振りかぶる。

「待て！！」

そこにダークウルフが到着。

「ん？おやおや……ダークウルフ……ようやくご登場か……」

「！……何だ……お前は……」

「ダークウルフ、気を付けろ……アレは透真がゾンバットと融合した怪物……」

神楽木長官が説明。

「ゴッドゾンバットだ」

「ゴッド……ゾンバット……？」

「そう……ゾンバットの頂点に君臨するゾンバットの神だ」

「大我……気を付けろ……奴の強さはハンパじゃねぇ」

「だが……お前を倒せば全てが終わる……」

「あん？」

「お前を倒せばそれで全てが終わるんだ！！だから俺達の未来を取り戻す為に俺は勝つ！！」

ダークウルフはゴッドゾンバットに攻撃を仕掛ける。

だが、当然ダークウルフの攻撃もゴッドゾンバットに通用しない。

「死ねー！！」

ゴッドゾンバットがダークウルフに攻撃。

「うわっ！？」

ダークウルフは何とか回避し直撃を免れた。

「くっ……早い……」

「ダークウルフ……所詮お前もそこの2人と変わらない。元はただの人間なんだよ……そんな奴がゾンバットの神である私に勝てる訳がない」

「神か……お前も所詮力に溺れた哀れな人間だろ……」

「何？」

「何が神だ……そんな力で……俺が屈すると思ってるのか！だったら大間違えだ！！」

「この……調子に乗るな！！」

ゴッドゾンバットの攻撃。

「ぐっ……」

ダークウルフは咄嗟に防御の体制を取るが今度は直撃。

ダメージを受けてしまった。

「ダークウルフ……貴様もこれまで数多くのゾンバットを倒して来てくれたな……その例はたっぷりさせて貰うぞ……」

ゴッドゾンバットはダークウルフに更に攻撃を続ける。

「ぐあっ！？ぐあっ！？ぐわぁぁぁっ……！？」

「やべぇ……このままじゃ大我が……」

「ここまでの連戦の疲れもあるからな……」

ライトニングレオとファイアイーグルは何とかダークウルフを助けようと必死に体を動かす。

「クソッ！動け！動いてくれよ！俺の体！！」

だが、無理に動こうとすると全身に激痛が走る。

「ぐっ……」

このままではダークウルフも本当にやられてしまう。

「死ね……ダークウルフ！！」

ゴッドゾンバットが最後の一撃を叩き込もうとする。

だがその時！

「させるか！！」

誰かがゴッドゾンバットに攻撃。

「ぐっ……何だ！？」

そこに居たのはブリザードタイガ。

続く……。