決戦!VSゾンバット

第14話「明かされた真実!新たな戦いの始まり」

ゾンバットの力を得たブリザードタイガはダークウルフ達にトドメを刺そうと必殺技『ゾンバットクロー』を発動。

「くっ……アレを喰らう訳には行かねぇ!!踏ん張れ!!」

ライトニングレオが立ち上がる。

「ああ!」

ダークウルフとファイアイーグルも立ち上がる。

ブリザードタイガは『ゾンバットクロー』を放つ。

3人もそれぞれの必殺技を発動させ対抗。

互いの必殺技はぶつかり合い大爆発を起こし相殺。


「うわぁぁぁっ!?」

「ぐっ……」

その衝撃は会場全体を襲った。


「ぐっ……ブリザードタイガの奴……派手にやったな……兄さん、決着はまたにしよう」

神楽木透真は去って行く。

「待て!」

ゾンバットは神楽木長官に襲い掛かる。

「長官!」

ブラッククロウがゾンバットを排除。

「ぐっ……これで最後か……」

「田島君、助かりましたよ」

「いえいえ、長官をお守りするのが私の役名ですから」

「ありがとう……しかし……まずい事になりましたね……」

神楽木長官がステージの様子を見る。


「ハァ……ハァ……」

「チッ……」

4人は互いに消耗しきっていた。


「増見君、帰りますよ」

神楽木透真が声を掛ける。

「チッ……勝負はお預けだ……」

ブリザードタイガは神楽木透真と共に去って行く。


「つ……強い……」


「田島君、彼らを連れてきて下さい」

「はい」


そして、田島により大我、竜一、悟の3人は神楽木長官の元に集められた。


「神楽木長官……俺達に何の用だ?一体何が起こっている?答えろ!!」

「まぁ、落ち着いて下さい」

「これが落ち着いてられるかっての!!」

「そうだよ!」

「順を追って説明します。とりあえず掛けて下さい」

そう言って神楽木長官は大我達を椅子に座らせる。


「まず、今の状況を説明するには18年前のゼロクライシスの事から話さなければなりませんね……」

そう言って神楽木長官は語りだした。

18年前に起こったゼロクライシスについて……。


18年前ーー


これはゼロクライシスが起こる少し前の話……。

神楽木守人(当時39歳)とその弟神楽木透真(当時36歳)は互いに研究者としてある研究をしていた。

それは人類の未来に希望を与えると信じられて来た新エネルギー『エターナルコア』数年前に発見された未知の物質で、そのエネルギー量は僅か数グラムで一般家庭の一ヶ月の使用エネルギーを全て賄える程だった。

この『エターナルコア』の研究が進めば人類は目覚ましい発展をすると注目されていた。

そんなある日……。


「兄さん見てくれ!」

透真が慌てた様子で守人を呼んだ。

「何だ?どうした?」

「今、マウスに液体化したエターナルコアを注射してみたんだ。そしたら……」

守人がそのマウスを見ると……。

マウスは元気に動き回っていた。

「何っ!?そのマウス……確か度重なる薬物実験でかなり弱ってたよな?」

「そうだよ!あの瀕死に近い状態だったマウスがこんなに元気に!兄さん、これは凄い発見だよ!人間の命を救えるかも知れない!」

「ああ」

それから更に研究は進んだ。


しかし……。

「中止!?……どういう事です?」

透真は驚愕した。

「上からの命令だ。エターナルコアのエネルギーで人の命に影響を及ぼす実験は危険と判断され研究に中止命令だ出たんだ」

「そんな……折角ここまで頑張って来たのに……」

「透真……お前の気持ちは分かる。しかし、ここから先は神の領域だ。我々人類が踏み込んではならない研究なんだよ……」

「そんな……エターナルコアの力で永遠の命を実現出来ると思ったのに……」

「それこそ神に逆らう研究だ。残念だが諦めよう……」

「うん……そうだね……」

これを機にエターナルコアの命に及ぼす効果の研究チームは解散。

エターナルコア自体には別の運用方法が検討された。


「エターナルコアは……人類の希望なんだ……こんな所で……諦められるか……」

「その欲望……気に入った……」

「誰!?」

「フフフフッ……エターナルコアの力で得てやろうじゃないか……永遠の命とやらを……」

「誰なんだ!?隠れてないで出てこい!!」

そこに現れたのは赤く光る鋭い眼と黒い影。

「な……何だ!?……あっ……悪魔!?」

「そうだな……人間は我を悪魔と呼称する事が多い様だ……我が名はヴァラルガン……人間……お前に我の力を与えてやろう……」

ヴァラルガンは透真の体内に入り込む。

「う……うわぁぁぁぁっ!?」

その後、透真はエターナルコアを盗みに研究施設を襲撃。

駆け付けた研究員の中には守人も居た。

「何だ?どうしたんだ?」

「やぁ……兄さん……」

「透真!?お前何を!?」

「エターナルコアは僕に必要なんだ……だから貰って行くよ?」

「ふざけるな!お前、まだあの研究を諦めて無かったのか!?」

「ああ……きっと叶えてみせるよ……永遠の命……」

そう言って透真がエターナルコアに触れるとそこからヴァラルガンの闇のエネルギーが注がれ研究員達を襲った。

「うわぁぁぁっ!?」

「なっ!?……透真……なんて事を……」


そして、その研究員達は死してなお蘇った。

それがゾンバットの始まりだった。

「ほぉ……これがヴァラルガンの力か……やれ……」

ゾンバット達は守人に襲い掛かる。

「う……うわぁぁぁぁっ!?」

守人は必死に逃げた。

変わり果ててしまった弟に恐怖を覚え……。

そして、この研究施設の職員の殆どがゾンバットに襲われ新たなゾンバットとなった。

これがゼロクライシスだ。


現在ーー


「ゼロクライシスってそれが始まりだったのか……」

大我達は驚愕する。

無理も無い、大我達は生まれて間もない頃、もしくは生まれても居ない頃の話だ。

「そう……弟が悪魔に取り憑かれエターナルコアを盗みゼロクライシスが起こった……そして現在、ゾンバットは生まれ続け人々を襲っている」

「そこからゼロクライシスの被害は拡大したんだな……今のエリアゼロに……」

「そうです……」

「くっ……じゃあ……俺の両親が死んだのはあんたの弟のせいって事か……」

「ええ……その事については本当に申し訳なく思います……」

「ふざけるな!!」

大我は神楽木に殴り掛かる。

田島が止める。

「おい、よせ……落ち着けって……」

竜一達も大我を止める。

「最後まで話を聞いて下さい。今、あなた達に話さなければならないのはこれからの事です」

「何っ?」

「私がこの大会を開催したのはゾンバットに対抗出来る戦士を見つけ出す為です。その結果、あなた方は申し分ない結果を残した。どうかお願いです。ゾンバットと決着を着け全てを終わらせる為に力を貸して下さい」

神楽木は深く頭を下げた。

「確かに、このまま出てくるゾンバットに対抗してても埒が明かないからな……」

「奴らの大元を潰せば全て終わるって事か」

「そうです。どうかゾンバットを全て倒し弟を止めて頂きたい。それがゼロクライシスで亡くなった方々への弔いにもなるはずです」

「……なら1つ約束しろ……」

大我が何かを提案。

「何です?」

「俺達はエリアゼロに隔離され自由を奪われたままこれまで生きて来た……ゾンバットとの戦いが終わればエリアゼロを解放し俺達を自由にしろ」

「勿論です。ゾンバットの脅威が無くなれば何も問題はありませんから……その時はエリアゼロの解放を約束しましょう」

「よし!バラバラに戦っててもダメって事だろ?なら俺達は今からチームだ!皆で協力してゾンバットとの戦いを終わらせようぜ!」

竜一がそう言って拳を突き出す。

「乗った!」

悟も拳を突き出す。

「大我君……君はどうです?」

「この戦いには俺達の未来が掛かってる……やるしかないな!」

大我も拳を突き出す。

3人は1つのチームとして共に戦う事を決意する。

「皆さん、ありがとう……田島君、例の物を……」

「はい」

神楽木に言われ田島が持ってきた物は……。

『セイバーアクセラレーター』

「これは皆さんの能力を研究し共通して使える様にしたパワーアップアイテムです」

「パワーアップ!?」

「そう……これで皆さんはセイバーフォームに強化変身が可能となります。本来はこの大会で優勝した方に贈呈するつもりでしたが……こうなってしまっては皆さんが共通で使った方が良いでしょう」

「大我、とりあえずお前が使って見ろよ」

竜一が勧める。

「え?あ、ああ……」

「あっ、ずりぃ〜俺も使ってみたい!」

「まぁそう言うな。どんな代物か分からないしな……」

「俺は実験台かよ……」

「皆さんそれぞれ準備が必要でしょう。3日後、再びここに集まって下さい。ゾンバットとの決戦に向かいます」

3人は頷く。


こうして3人はチームとして共にゾンバットと戦う事となった。


続く……。

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