第11話「第1回戦 脅威のスレイブ1」
遂にヒーローズグランプリが開幕した。
そして、第1回戦の対戦カードはダークウルフVSスレイブ1に決定した。
「じゃあ俺達客席で見守ってるから頑張れよ大我」
貴明が大我に声を掛ける。
「ああ……」
貴明、愛、光、村井は客席へ……。
そして、大我は戦いの準備を始める。
この大会の裏には何かある……あのスレイブとの戦いも厳しい物になるだろう……
そう考えてながら準備を進める大我。
そしていよいよアナウンスが響き渡る。
「さぁー!いよいよヒーローズグランプリ第1回戦の始まりだー!!東エリア代表!漆黒の狼!ダークウルフ!!」
大我は変身しダークウルフとして登場。
歓声が響き渡る。
「対するは浅間重工が開発した次世代型対ゾンバット用特殊戦闘服に身を包んだ謎の戦士!!スレイブ1!!」
スレイブ1も登場。
「さぁ!両者に実力の全てを出し切って戦って貰おう!!勝つのはどっちだー?ゴー……ファイッ!!」
遂に試合が始まった。
ダークウルフが構える。
だが、スレイブ1は動かない。
「何だ?隙だらけだな……なら仕掛けてみるか!」
ダークウルフがスレイブ1に攻撃を仕掛ける。
だが、スレイブ1は即座に反応し右腕のマシンガンで反撃。
「うわっ!?」
ダークウルフはダメージを受ける。
「大我!?」
愛が心配そうについ叫ぶ。
「くっ……そうか……スレイブのAI機能で動きが予測されてるのか……」
次はスレイブ1が仕掛ける。
左腕の剣を伸ばし斬り掛かって来る。
「ぐっ……」
ダークウルフは咄嗟に『ウルフクロー』を展開し防御。
しかし、ダークウルフは倒れたままの体勢では反撃に移れない。
スレイブ1は容赦なくダークウルフを攻撃し続ける。
その様子を見ている神楽木長官と浅間会長。
「なるほど、スレイブの実力は確かな様ですね。あのダークウルフを追い詰めるとは……」
「当然ですよ。スレイブは我が社の最高傑作。これが政府に認められれば傾いていた経営を立て直す事が出来ます。どうかお願いしますよ?神楽木長官」
「ええ、勿論です。この大会の結果次第でスレイブの正式な運用を政府に進言しましょう」
スレイブ1の攻撃は続く。
ダークウルフは何とか脱出しようとスレイブ1を蹴り飛ばす。
「ぐっ……おりゃあ!!」
そして、体勢を立て直したダークウルフは『ターボフォーム』にチェンジ。
AIの予測を上回るスピードで一気に決着を着けるつもりだ。
スレイブ1に突進する。
しかし、スレイブ1は捕獲用ネットを撃ちダークウルフを捕らえる。
「何っ!?」
しかもこのネットは電流が流れていた。
ダークウルフは更に電撃によるダメージを受けた。
「ぐわぁぁぁっ……!?」
ダークウルフは倒れた。
スレイブ1は一度電流を止め再び左腕の剣で、斬りかかる。
痺れて動けないダークウルフはスレイブ1の攻撃を受け続けてダメージを受けて行く。
「大我!?クソッ!こんなの……」
貴明も大我を心配する。
その様子を見ている神楽木長官は……。
どうした?お前の実力はそんなもんか?もっと本気を見せてみろ……。
スレイブ1の攻撃を受け続けて意識が朦朧とする大我……。
まずい……このままでは……。
だがその時、大我の脳裏に浮かんで来たのは……。
大我……大我……諦めるな。
ダークウルフの真の力を解放しろ……。
誰だ……?
大我の脳裏に浮かび上がって来たビジョン。
それは……。
大我、お前なら出来る。
ダークウルフに隠された力を解放しろ。
誰だ……?
誰なんだ?
俺はお前を信じてるぞ……息子よ……
父さん?
父さんなのか?
どうやら大我の脳裏に浮かび上がって来たビジョンの正体は大我の父親の様だ。
ダークウルフの……真の力……
その時、大我はある事を思い出した。
それはまだダークウルフが開発途中だった頃……。
貴明が見つけた事だった。
「なぁ、大我……ここなんの装着だろう?」
「ん?どれどれ?」
『ウルフチェンジャー』に謎の装着が組み込まれていた。
大我は調べてみたが、その装着へのアクセスが出来ない。
「あれ?なんだろ……ここにだけアクセス出来ない」
「ん〜?このウルフチェンジャーって大我の親父さんが作ったんだよな?」
「ああ、そう聞いてるが……」
「じゃあ、親父さん何か秘密の装着を隠してあったんだな……しゃーない、とりあえずここは飛ばして次に行こ」
「ああ……」
そして現在。
もしもダークウルフにまだ隠された力があるなら……可能性はアレしかない……信じるぞ……父さん……
ダークウルフは左腕に装着された『ウルフチェンジャー』に手を伸ばす。
そして、普段変身の為に使うボタンのカバーを外すと中には別の隠されたボタンが出てきた。
大我の父親が残したダークウルフの隠された力……其れに賭ける事にした。
ダークウルフはそのボタンを押す。
すると、ダークウルフの全身をエネルギーが駆け巡り謎の力を発動。
その力でダークウルフを捕えていたネットを破る。
「何っ!?」
そして立ち上がったダークウルフはスレイブ1の攻撃を受け止める。
「なっ!?は、離せ!?」
ダークウルフはスレイブ1に反撃し殴り飛ばす。
「うわぁぁぁっ!?」
そして、ダークウルフの姿が変わった。
ダークウルフは黒いボディーに赤いラインが入った新たな姿『シューティングフォーム』に強化した。
「こ、これは!?」
浅間会長が驚愕。
「やはり……まだ力を隠してましたか」
神楽木長官は至って冷静に分析する。
スレイブ1はダークウルフに再び攻撃を仕掛ける。
だが、ダークウルフは素早い動きで攻撃をかわす。
そして反撃のパンチを繰り出すと……。
そのパンチはこれまでのダークウルフとは別格のパンチ力でたったの一撃でスレイブ1に大ダメージを与えた。
「うわぁぁぁぁっ!?」
「トドメだ」
ダークウルフは必殺技を発動。
両肩に『ウルフシューター』が展開され、エネルギーを集める。
シューティングフォームの必殺技『シューティングバースト』を放った。
それは強力な一撃を放つエネルギー砲だ。
「うわぁぁぁぁっ!?」
スレイブ1は大破。
装着者は無事だったが気を失い倒れる。
「決まったー!変身解除により第1回戦は東エリア代表!ダークウルフの勝利だー!!」
あまりの逆転劇に観客達は驚愕する。
「ウソッ……ダークウルフにまだあんな力が隠されてたなんて!?」
「ああ……驚いたぜ……」
「大我のアニキ、スゲェよ!!」
ダークウルフは変身を解除。
大我は立ち去る。
大我が戻って来るとそこには増見陽介が待っていた。
「とんだ隠し玉を持っていたな」
「俺もビックリだ。まさか……ダークウルフにあんな力が……」
「まぁ、良い。最後に勝つのは俺だ」
「増見、気を付けろ。この大会……何か裏があるぞ」
「フンッ、知った事か」
その頃、神楽木長官と浅間会長は……。
「クソッ!!まさかダークウルフにあんな力があったなんて……」
「仕方ありませんよ。あれは想定外の出来事だったのです。スレイブの強さは十分にゾンバットに対抗出来る物でしたよ」
「くっ……しかし……負けては意味が無い……」
「……まぁ、次に期待しましょう」
その頃、ヒーローズグランプリ会場に近付く怪しい影……。
「さぁ!1回戦の興奮冷めやらぬ中、続いての試合に入るとしよう!次に勝つのは誰だ!?対戦カードはこの2名だ!!」
そして発表された対戦の組合わせは……。
ブリザードタイガVSスレイブ2
「ようやく俺の出番か……待ちわびたぞ……」
第2回戦がいよいよ始まる。
続く……。
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