第9話「覚醒する超戦士」

西の発電施設に潜入した大我達だったが、大量のゾンバットの前に一時撤退を余儀なくされた。


必死にゾンバットから逃げる一行。

「こっちだ!」

野口が1つの部屋に皆を避難させる。

「全員いる?」

「ああ……大丈夫だ」

「よし、ドアをバリケードして!」

「分かった……」

早川と島田が椅子や机をドアの前に置きバリケードを作る。


「竜一、大丈夫か?」

大我が尋ねる。

「ああ……すまん……俺が不甲斐ないばっかりに……」

「いや、お前のせいじゃないさ」

「でも、これからどうする?」

理沙が尋ねる。

「あのクラゲのゾンバットには俺の技が通用しなかった……大我、お前の技はどうだ?」

「少なくとも打撃技や斬る技は通用しないだろうな……火器攻撃なら効くとは思うが、ここでそれを使うのは危険過ぎる……」

「だよな〜……ああ〜参ったな〜」

竜一が頭を掻きむしる。

「それにあの数のゾンバットを相手にするのは無理がある……」


とそこにドアをこじ開けようとする物音が!!


「やべっ……奴ら来やがった……」

早川と野口が必死にバリケードを抑える。

「まずい……このままじゃ……」

「他に脱出出来る所は?」

大我が尋ねる。

「ダメだ……この部屋にはない……」

野口が答える。

「くっ……仕方ない、雑魚だけでも倒す!」

大我は『変身』

ダークウルフとなり、窓から部屋を飛び出し、ゾンバットと戦い始める。

『ダークブレイククロー』を連発し、ゾンバット達を次々に倒して行くダークウルフ。


「皆!今の内に部屋を出るんだ!!」

ダークウルフが叫ぶ。

「わ、分かった。皆、脱出するぞ!」

野口の案内で部屋を出る一行。


そして、ダークウルフも一通りゾンバットを倒すと皆を追う。


「皆、こっちだ!」

野口の案内で向かった先は管制室。

「ここって……」

「ここからなら遠隔で電力を発生させる事が出来るはずだ……その装置をゾンバットに壊されて無ければね……」

「とにかく入ろう」

「待ってくれ、ここはゾンバットに襲撃された場所だ。まだ中に居るかも知れない……慎重にだぞ……」

「ああ……分かった……」

念の為、竜一がドアの正面で構える。

野口と早川が一緒に慎重にドアを開ける。

しかし、中にゾンバットは居なかった。

「ふぅ〜……とりあえず居ないな……」

「なんだ、拍子抜けだな……」

そこに大我も合流。

「皆!」

「大我!ゾンバットは?」

「一通りは倒した。だが、あのクラゲの奴は居なかった」

「そうか……よし、とにかく入るぞ……」

一行は管制室へ……。


「よし、ここからは俺の出番だな」

早川が腕まくりをして気合を入れる。

「じゃあ、今この部屋のサブ電源を入れます」

野口がそう言ってサブ電源を入れる。

すると、この部屋は電気が通り明るくなった。

「あっ!点いた!」

「よし、後は遠隔操作で電源を入れられるかだな……」

早川がコンピューターの電源を入れ立ち上げる。

しかし……

「ダメだ……やっぱり遠隔操作は無理みたい……装置を壊されてるんだなきっと……」

「そうかぁ……となるとやはり発電機のスイッチを直接入れるしかないか……」

と野口が呟く。

「でも、発電機のそばにはクラゲのゾンバットが……」


だが、そこに!

天井からクラゲゾンバットとその他大量のゾンバットが現れた。

「コイツら……通気口から!」


「ここを壊される訳には行かない、何とか退けるぞ!」

大我が構える。

「待て!ここは俺が引き受ける」

竜一が名乗り出る。

「兄さん……」

「コイツには借りがあるからな……お前達は発電機の方へ行け!クラゲゾンバットが居ない今なら大分戦い易いはずだ」

「……分かった。ここを頼むぞ」

「なら我々は発電機の方へ……早川君、ここを頼むぞ!」

「え?僕置いてかれるの!?」

「ここには君が必要だろう……竜一、頼んだぞ」

「任せろ!」

竜一は『変身』

ライトニングレオがクラゲゾンバット達と戦い始める。


「よし!行こう!」

大我達は発電機の方へ向かう。


「うわぁぁぁっ!?」

早川は逃げ回る。

ライトニングレオはゾンバット達を次々に倒す。

しかし、クラゲゾンバットがライトニングレオに襲い掛かる。

「ぐっ……コイツには俺の技が効かないからな……」

「ダメじゃん……」

早川は不安そうに戦いを見守る。


発電機に近付くとゾンバット達が待ち構えていた。


「まだ結構居るな……」

「ここは任せろ」

大我は『変身』

ダークウルフがゾンバット達と戦い始める。


ライトニングレオは少しでも戦い易くする為にクラゲゾンバットを外に誘き出す。


ダークウルフもゾンバット達を次々に倒し、発電機の周りのゾンバットは随分減ってきた。

「しかし……まだまだ数が多いな……」


ライトニングレオはクラゲゾンバットとその他のゾンバットを引き連れ外へ出た。

「ここなら思いっ切り戦える!!」

ライトニングレオは必殺技『ライトニングナックル』でゾンバット達を倒す。

残すはクラゲゾンバットのみ……。

「さて……後はコイツをどうするか……」

クラゲゾンバットはライトニングレオに襲い掛かる。

「うわっ!?」

技が通用しないクラゲゾンバットには相変わらず苦戦するライトニングレオ。

クラゲゾンバットの攻撃がライトニングレオにダメージを与える。

「ぐはっ!?」


そして、ダークウルフは『ターボフォーム』にチェンジ。

『ターボブレイド』を使い一気にゾンバット達を倒しに掛かる。


ライトニングレオはクラゲゾンバットに追い詰められる。

「ぐっ……コイツ……やっぱ相性わりぃな……」


「苦戦している様だね、青年……」

そこに現れた人物は……。

「ん?あんたは……?」

「国家安全保安局長官補佐の田島だ」

「国家安全保安局?国のお偉いさんが何の用だ……ここは危ねぇぞ」

「長官から君への遣いを頼まれてね。コレを渡しに来たんだ」

そう言って田島は何かのアイテムをライトニングレオに見せた。

「ん?何だそりゃ?」

「コレがあれば君はもっと強くなれる。試してみるがいい」

そう言って田島はそのアイテムをライトニングレオに放り投げた。

「おっ……へへっ、何だか分かんねぇが奴を倒せるならやって見るぜ!」

「それはサイクロンアクセラレーターだ。腕に装着して使いたまえ」

「オッケー!」

ライトニングレオは早速『サイクロンアクセラレーター』を右腕に装着。

そして、スイッチを押し『サイクロンアクセラレーター』を起動させる。

すると、ライトニングレオの周りを突風が囲みライトニングレオの背中にはウィングが出現。

ライトニングレオを疾風迅雷の戦士『サイクロンフォーム』へと変身させた。

「行くぜ……」

ライトニングレオがクラゲゾンバットに近付く。

クラゲゾンバットは襲い掛かる。

「はっ!」

風の力に後押しされ強化された回し蹴りでクラゲゾンバットを蹴り飛ばす。

「なるほど、風の力か……これなら勝てる!!」

ライトニングレオはクラゲゾンバットに怒涛の攻撃を仕掛ける。

連続攻撃を叩き込みクラゲゾンバットを中に浮かせる。

「へへっ、空中じゃ身動き取れねぇよな?トドメだ!!」

ライトニングレオは背中のウィングから突風を巻き起こし必殺技『サイクロンストライカー』を放った。

クラゲゾンバットは斬り裂かれ爆散。


「よっしゃー!ありがとな……」

しかし、そこにはもう田島の姿は無かった。

「あれ?」


ダークウルフがゾンバットを全て倒し終える。

「ハァ……ハァ……流石に数が多かったな……」

「やった!これで発電機が動かせる!」

だが、戦いを終えたダークウルフを突如何者かが襲撃。

「うわっ!?」

「何だ?」


そこに立っていたのはダークウルフとは別の漆黒の戦士だった。

「ぐっ……お前は何者だ!」

「フンッ……自己紹介は面倒くせぇ……俺はコレをお前に渡しに来ただけだ」

そう言ってその戦士はダークウルフに何やら手紙を渡した。

「は?」

見てみると、それはヒーローズグランプリへの招待状だった。

「言っておくが、お前は強制参加だ。拒否権は無い」

そう言い残し漆黒の戦士は去って行った。

「何なんだ……アイツ……」


いよいよヒーローズグランプリが始まろうとしていた……。


続く……。

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