ヒーローズグランプリ

第7話「西の戦士ライトニングレオ」

大我はエリアゼロに戻って来た。

しかし、『ウルフダッシュ』は大破し、大我も気を失っている。


気を失っている大我を黒崎竜一(21才)が発見。


それから数時間後、日はすっかり暮れ辺りは真っ暗になった。


東エリアでは戻って来ない大我を愛達が心配していた。

「大我……帰って来ないね……」

「ああ……何かあったのかな?」

「そうね……」


大我は目を覚ました。

「ん……?ここは……?」

大我は起き上がった。

「うっ……」

大我の全身に激痛が走った。

「おっ、目が覚めたか」

そこにやって来たのは竜一。

「あんたは?」

「あちこみ打撲してるみたいだししばらくは安静にしといた方がいいぞ」

「打撲?」

見ると大我の体には多くの包帯が巻かれていた。

「あんたが俺を助けてくれたのか?」

「まぁな……俺は黒崎竜一。お前は?」

「俺は夜月大我。助けてくれてありがとう」

「良いって事よ。お粥でも食べるか?温めるぜ?」

「すまない……折角だから頂くよ」


竜一は大我にお粥を差し出す。

「美味い!」

「だろ?俺、結構料理得意なんだ」

「ああ……限られた食材でここまで味を引き出すなんて凄いな」

「まぁ、生きてく上では必要だったからな……」

「そうか……所でここはエリアゼロのどの辺りなんだ?」

「ん?ここは西エリアだぞ」

「西エリア!?しまった……真逆に来てしまったのか……」

「真逆って……東エリアに行きたいのか?」

「ああ」

「なら、しばらく待った方が良いな。東エリアまでかなり距離があるしその体じゃあ……」

「そうか……」

「所でなんであんなとこに倒れてたんだ?」

「俺は……浅間重工から脱出して来たんだ」

「浅間重工!?って……エリアゼロの外じゃねぇか。何でわざわざエリアゼロなんかに戻って来たんだ?」

「エリアゼロは俺の故郷だ。それに仲間も居る」

「そうか……まぁ、浅間重工はあまり良い噂は聞かねぇしな……まっ、とにかくしばらくは大人しくしとけ。俺、ちょっと出てくるからよ」

「ああ……」

竜一は立ち上がる。

「すまない……助けてくれてありがとう」

「気にすんな。じゃあな……」

竜一は部屋を出て行く。


外に出た竜一は……。

「さぁて……今夜何も無いといいが……」

「兄さん、交代の時間よ」

「おう、理沙、お疲れ」

竜一の妹、黒崎 理沙(くろさき りさ)(20才)

「昼間兄さんが連れて来た彼、どう?」

「ああ、悪い奴じゃなさそうだし、今目覚めた所だ」

「そう……珍しいわね、西エリア外からのに来客なんて」

「ああ、ちょっと訳ありみたいでな……アイツ、今お粥食べさせてるから何かあったら気にかけてやってくれ」

「ええ……じゃあ、後お願いね」

「おう!」

竜一は妹の理沙と交代し見張りに行く。


理沙が大我の様子を見に行く。

「入るわよ?」

「ん?」

理沙が部屋に入って来る。

「あんたは?」

「竜一の妹の理沙よ。宜しく」

「妹?そうか。あんたの兄さんには世話になった」

「兄さん困ってる人を放っておけないタチだから……まぁ、狭い家だけどゆっくりして行って」

「何から何まですまないな……所で俺のバイクは?」

「バイク?ああ、派手に壊れてたから今修理をお願いしてるわ。動ける様なら明日案内してあげる」

「ああ」

とそこに……。

「ゾンバットだー!!」

外では騒がしくなった。

「!!」

「理沙ちゃん!ゾンバットだ!!竜一が戦いに!!」

「兄さん……」

「ゾンバットだと……」

大我は立ち上がろうとする。

「ダメよ動いちゃ……大丈夫。兄さんならきっと……」

「え?」


その頃、竜一は……。

「来やがったな……行くぜ!!」

竜一は左腕に装着されたブレスレット型の変身アイテム『レオチェンジャー』でライトニングレオに『変身』

ライトニングレオはゾンバットに戦いを挑む。

「はっ!!おりゃあ!!」

怒涛の連続攻撃を繰り出しゾンバットを追い詰めて行くライトニングレオ。「よし、そろそろ必殺技決めるか!」

ライトニングレオは必殺技『ライトニングナックル』を繰り出す。

雷のエネルギーを纏った拳でパンチを繰り出すライトニングレオの必殺技だ。


「おりゃあああ!!」

ライトニングレオの一撃はゾンバットを倒した。

「うっし!終わり……」

ライトニングレオは変身を解除。

竜一は見張りに戻る。


竜一の家では……。

「終わったみたい」

「そうか……あんたの兄さんは?」

「大丈夫よ。兄さんなら」

「どういう事だ?」

「兄さん、西のエリアを守るライトニングレオだから」

「ライトニングレオ!?聞いた事ある……西エリアの戦士か……」

「なら話は早いわね、だから大丈夫なの」

「そうか……」


この日はそれ以上ゾンバットが現れる事はなく、夜が明けた。


翌日ーー


大我は痛みが和らぎ動ける様になった。

「こっちよ」

理沙に案内され、『ウルフダッシュ』を見に行く。

「これは……酷いな……」

「ごめんね、少し修理してあげたかったんだけど、私達の手には負えなくて……」

「いや、大丈夫だ。何とか直してみせるさ」

そこへ竜一も合流。

「おっ、ここに居たか。どうだ?そのバイク。直りそうか?」

「ああ……何とかなるだろう」

「そっか……ところでさ……お前、ダークウルフだろ?」

「!……気付いていたのか……」

「ああ、お前の持ち物を見てピーンと来たぜ。なら出るのか?ヒーローズグランプリ」

「ヒーローズグランプリ?」

大我は作業する手を止め、振り返った。

「なんだ、知らないのか?エリアゼロには各エリア毎にそこを守るヒーローが居るだろ?西は俺、東はお前みたいにな。何でも普段生活に苦労するエリアゼロの人間の為に娯楽を兼ねた最強のヒーローを決める大会を開くらしいぜ?」

「そんな物が……」

「あぁ〜……お前も東エリアに戻ればもう招待状が届いてるかもな」

「興味無いなそんな物……」

「けどさ、優勝したらそのエリアには賞金が支給されるって話だぜ?出ない手は無いだろう」

「賞金?……そうか……確かに賞金があればそのエリアに人間の暮らしが少しは良くなるかもな……」

「な?面白そうだろ?」

「……だが、各エリアの戦士が集まっても4人だろ?俺達で潰し合う事になるな……」

「それがな……政府が参加する戦士を用意するらしい」

「!!本当か?」

「ああ、その中で優勝した戦士にはゾンバットと戦う為にアイテムも支給されるとよ」

「アイテム……か……政府もようやくゾンバット退治に本気になった様だな……」


と、そこへ1人の男性がやって来た。

「竜一、大変だ!子ども達がゾンバットに……」

「何?分かった、直ぐに行く!」

「俺も行く」

「ああ、手伝ってくれ」

大我と竜一は子ども達を助ける為にゾンバットの元へ。


現場では複数のゾンバットに子ども達が襲われていた。

「うわぁぁ……助けてー!!」

恐怖で動けず泣き叫ぶ子ども達……。


そこへ大我と竜一が到着。


「大丈夫か?」

「竜一兄ちゃん……」

「早く逃げるんだ……」

大我と竜一は子ども達を抱きかかえ避難させる。


「よし……大我、お前の実力見せてみな!」

「ああ!」

2人は揃って『変身』

ダークウルフとライトニングレオが登場。

「相手は4体か……3体引き受けてやるよ」

「舐めるな……」

ダークウルフが先に攻撃を仕掛ける。

「あっ、……おい……ったく……冗談だって……」

ダークウルフが4体のゾンバットを相手に戦う。

ライトニングレオも戦いに参加。

「悪い悪い、ムキになるなって……」

「別に……実力を見せてやるだけさ」

ダークウルフの必殺技『ダークブレイククロー』でゾンバットを1体倒す。

「おお〜、やるねぇ……」

そこにゾンバットの攻撃。

「おっと……危ねぇ〜……んじゃこっちも必殺技だ」

ライトニングレオは必殺技『ライトニングアッパー』を繰り出す。

ライトニングナックルを応用したアッパー技だ。

ゾンバットを1体倒した。


ダークウルフは『パワードフォーム』にチェンジ。

『パワードマグナム』で攻撃。

必殺技『パワードブレイク』でゾンバットを1体倒す。

「よし!残り1体だな……」

しかし……。

残ったゾンバットは進化し、キラービーゾンバットとなった。

「うわっ……蜂かよ……俺虫って苦手なんだよなぁ」

「なら下がってろ……」

キラービーゾンバットは飛行能力を得て空へ飛び上がる。

そして、毒針で攻撃して来る。

ダークウルフは攻撃をかわす。

「早いな……パワードフォームじゃ不利か……」

ダークウルフは『ターボフォーム』にチェンジ。

背中のブースターを利用して空へ……。

ダークウルフは『ターボブレイド』を使い必殺技『ターボブレイク』を放つ。

キラービーゾンバットも毒針で攻撃。

しかし、ダークウルフの攻撃の方が早くキラービーゾンバットを斬り裂いた。

キラービーゾンバットは倒された。


「おおー!やる〜」

ライトニングレオは関心。


「やった!すげぇ!!」

子ども達も大興奮。


大我と竜一は子ども達を連れ戻って来る。

「ありがとう!お兄ちゃん達!」

「ああ、気を付けろよ」

「うん!」

子ども達は無事に親の元へ帰る事が出来た。


「いや〜助かったぜ。大我、このまま西エリアで暮らすか?」

「……いや、折角の誘いだが東エリアで仲間が待ってる」

「そっか……じゃあ東エリアと連絡取った方が良くないか?」

「え?あ、ああ……そうだな……」

「なら俺に任せろ!」

「へ?」


竜一は東エリアと連絡を取ると……。

果たしてどうするのか……。


続く……。

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