第6話「デッドチェイス!起動、ターボフォーム」
大我と村井は貴明と愛に助けられ浅間重工の施設からの脱出を試みる。
「急いで!こっちよ!」
愛が大我に声を掛ける。
しかし、大我には気になる事が……。
「……皆は先に脱出してくれ、俺はまだやらなきゃならない事がある」
「え?何言ってんだよ大我……」
「まだウルフチェンジャーを奪われたままなんだ。アレを置いては帰れない」
「ウルフチェンジャーを!?でも今戻ったら……」
「大丈夫。必ず後から追い掛けるから先に行ってくれ」
「分かった。確かにウルフチェンジャーは必要だもんな。でも取り返したら必ず戻って来いよ?約束だからな?」
「ああ。2人共、村井さんを頼む」
「うん。さぁ、村井さんこっちです!」
「ああ……」
大我は貴明達と別れウルフチェンジャーを取り戻しに戻る。
そして、貴明、愛、村井の3人は出入り口へ。
「居たぞ!捕まえろ!!」
警備員が大我に向かって来る。
「どけ!!」
大我は警備員3人をなぎ倒し先を急ぐ。
浅間は……。
「クソッ!まだ捕まらんのか!!」
「ええ……探すのに手間取ってる様です……」
その頃、貴明達は……出入り口まで来ていた。
「で、ここからどうするの?」
「行きと一緒さ」
「まさかトラックを奪って?」
「ああ、あのトラックなら何か理由つけて行けばエリアゼロのゲートを開けて通して貰えるだろ」
「なるほど、貴明あったまいい〜!」
「よし、そっと行くぞ……」
貴明達はトラックに近付く。
丁度動き出そうとしているトラックが……。
「よし、アイツにしよう」
貴明は運転手に背後から近付き襲い掛かる。
「うわっ!?な、なんだ!?」
「悪いが大人しくしてて貰うぜ……」
貴明は運転手を殴って気絶させる。
「ふぅ〜……」
「やるわね」
貴明は運転手からトラックのキーを奪って早速トラックに乗り込む。
トラックのエンジンを掛ける。
「よし、行ける。2人共早く!」
「ええ、行きましょ村井さん」
「ああ……」
3人はトラックを見事奪い脱出。
エリアゼロのゲートを目指して出発。
その頃、大我は警備員を次々に倒して浅間の元へ。
「浅間!!」
「来たか、大我君……」
「貴様……」
研究員の1人が大我に近寄る。
「まぁ、待て、よい」
「しかし……会長……」
「大我君、君の目的はこれだろ?」
浅間が『ウルフチェンジャー』を見せる。
「ああ、返して貰おう」
「スレイブへのデータのインプットは終わった。もう私にも必要ない。返してやろう」
意外にもあっさりと返してくれた。
大我は『ウルフチェンジャー』を受ける。
「随分あっさりだな……」
「すまないね。データのインプットがたたった今終わったところでね。それまでは時間を稼ぎたかったんだ。部下にも君達の追跡を辞める様に連絡しよう。君のバイクは第3格納庫に入れてある。そこから出して帰りたまえ」
「あ……ああ……」
大我はあっさりと返され少々拍子抜けしていたが、案内され、第3格納庫の『ウルフダッシュ』の元へ。
「そのバイクは我々には必要無さそうだから特に何もしていない。そのままいつも通り走れるはずだ」
「何故こうもあっさり?」
「会長も言っていただろ?ダークウルフのデータさえ手に入れられればそれで良かったのさ」
「……そうか……」
「君が着いたらエリアゼロのゲートを開ける様に連絡しておくよ。安心して帰りなさい」
「ああ……」
大我は『ウルフダッシュ』のエンジンを掛け出発。
その頃、貴明達は既にエリアゼロのゲートに……。
「すみません、資材集めに来たんですが……」
「ああ、浅間重工さんの資材集めのトラックね、どうぞ」
トラックはエリアゼロ内に入る。
「ふぅ〜保安局の連中もチョロいぜ」
「何とか戻って来れたわね」
「2人共本当にありがとう。でも……これからどうすれば……」
「そっか……村井さんはエリアゼロの外の人間だもんね……一旦私達のアジトに来て……」
「ああ……」
大我もエリアゼロのゲートを目指し疾走する。
とそこに……。
何者かが発砲して来た。
「うわっ!?……何だ!?」
大我を追い掛けて来たのはスレイブだった。
スレイブがバイクで追って来ていたのだ。
「くっ……浅間め……タダでは返さないと言う事か……」
その頃浅間は……。
「フフフッ……折角だ。最後にスレイブの運用実験の被検体になって貰うよ……」
スレイブが大我に追い付く。
そして、横から『ウルフダッシュ』を蹴って来る。
「くっ……コイツ……」
大我はスピードを上げ、スレイブを振り切ろうとする。
しかし、スレイブは再び発砲。
「ぐっ……やるしかない……」
大我は『変身』
ダークウルフとなりスレイブとチェイスを繰り広げる。
何とかスレイブを振り切ろうと横道に逸れる。
しかし、スレイブは執拗にダークウルフを追って来る。
スレイブは接近し、武器をマシンガンからソードタイプの武器に切り替える。
スレイブの攻撃。
「うわっ!?」
直撃は避けたがウルフダッシュのボディーに傷が付いた。
「くっ……」
更にスレイブは攻撃。
ダークウルフは両腕に備え付けられてる長い爪の武器『ウルフクロー』で受け止める。
だが、目の前に壁が。
「まずい……」
ダークウルフはスレイブとの距離を取り直角に曲がる。
「まずいな……このままではゲートが遠のく……やはり先にコイツを倒すべきか……」
スレイブは再び武器をマシンガンに切り替える。
そして、ダークウルフに攻撃。
「ぐっ……」
ウルフダッシュにダメージが……。
「このままじゃウルフダッシュが破壊される……よし……」
ダークウルフは更にスピードを上げスレイブとの距離を取る。
スレイブもバイクのスピードを上げて追って来る。
「くっ……振り切れない……」
スレイブのマシンガンによる攻撃はまだまだ続く。
「こうなったら……アレを使うしかないか……」
ダークウルフはもう1つの形態『ターボフォーム』にチェンジした。
ターボフォームはスピードと機動力に優れた形態だ。
そして、『ウルフダッシュ』もダークウルフがターボフォームになった事で変形。
超スピードに耐えられるボディーとタイヤに変換された。
この形態になった『ウルフダッシュ』は左右に2つずつブースターが付き、スピードが飛躍的に上がる。
そして、ダークウルフの背中にもブースターが取り付けられ、物凄いスピードを出せる様になった。
目の前にエリアゼロのゲートが見えてきた。
「アレか……着く前に決着を着けてやる!」
ダークウルフは『ウルフダッシュ』を更に加速させ、角を右折。
あまりの速さにスレイブもダークウルフを見失う。
辺りを探すスレイブ。
なんとダークウルフはスレイブの後ろから現れた。
ダークウルフはスピードを活かしスレイブの後ろへ回っていたのだ。
「これで一気にトドメだ!!」
専用武器『ターボブレイド』を取り出す。
これはスピードを活かして敵を斬り裂く剣タイプの武器だ。
ダークウルフは必殺技『ターボブレイク』を発動。
『ターボブレイド』で敵を斬り裂く必殺技だ。
スレイブを斬り裂く。
「うわっ!?」
スレイブはクラッシュ。
ダークウルフはそのままエリアゼロに突入を試みる。
しかし、流石にゲートを破る訳には行かない。
ダークウルフは横に逸れ、壁をブースターを活かしてよじ登りエリアゼロに入る事を試みる。
壁を猛スピードで一気に登るが、降りるには急降下しかない。
ダークウルフはそのまま壁を乗り越え落下。
「うわぁぁぁぁっ!?」
その頃、エリアゼロの西エリアを守るライトニングレオこと、黒崎竜一は……。
ゾンバットとの戦いを終え帰って来ていた。
「ふぅ〜……ゾンバットめ……今回はうようよいやがったな……ん?」
竜一の目の前には気を失った大我と大破した『ウルフダッシュ』が倒れていた。
「何だこりゃ!?ヒデェな……おい、大丈夫か?しっかりしろ!!」
竜一が大我に駆け寄る。
竜一が懸命に声を掛けるが大我は目を覚まさない。
続く……。
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