第3話「対決!北エリアの戦士」

コングゾンバットとの戦いの後、帰路に着く大我の前に現れた増見 陽介(ますみ 陽介)と名乗る男は突然宣戦布告をしてきた。


「勝負だと?何の目的で?」

「お前も知っての通り北エリアは食料が不足している。俺がお前との勝負に勝ったら東エリアの食料を分けて貰おう」

「なるほど、北エリアの人間か……事情は分かった。だが、俺が勝ったらどうする?」

「そうだな……もしお前が勝てば北エリアの発電施設を使わせてやろう。どうだ?悪くない条件のはずだ」

「発電施設か……確かに東エリアには必要か……分かった。その勝負受けて立つ!」

「そうこなくてはな……勝負は明日、午前11時に中央広場の前だ!」

大我は頷く。


そう伝え終えると陽介は姿を消した。


帰宅後ーー


「何っ!?北エリアの奴に勝負を吹っ掛けられた??」

貴明が驚く。

「ああ……」

「ああって……それで負ければこっちの食料を寄越せってのか?」

「そうだ。だが、こちらが勝てば発電施設を使わせてくれると言っていた。悪い話ではないはずだ」

「ぐっ……確かに発電施設が使える様になれば今より電力が使えて色々便利になるけどさ……」

「でも、大我をダークウルフって知って挑んで来るって事は……」

愛がそう呟くと……。

「ああ、恐らく……北エリアでゾンバットと戦っていると言うブリザードタイガ……奴がそうなんだろう」

「東と北の代表戦って訳か……」

「でも、ブリザードタイガって物凄く強いって聞くよ?これまでもゾンバットに負けなしだって……」

と光が言う。

「こっちだって大我はゾンバットとずっと戦って来てるんだ。そんなのは関係ねぇ」

「とにかく明日は負けられない戦いになる……皆、協力してくれ」

仲間達は頷く。


その頃、増見陽介は……。

「皆……必ず勝って食料を手に入れるからな……」

と、そこに……。

「陽介!!ゾンバットだ!!」

「何っ!?分かった直ぐに行く!!」


陽介がゾンバットとの戦いに赴く。


ゾンバットが女性を襲っていた。

「いや〜!?」

「くっ……おりゃあ!!」

陽介はゾンバットを殴り飛ばす。

「大丈夫か?」

「は、はい……」

「早く逃げろ!」

女性は立ち上がって逃げ出す。


「フンッ……雑魚に用は無い……とっとと消え失せろ……」

陽介はベルト型の変身アイテム『タイガチェンジャー』を腰に装着。

「変身!!」

陽介はブリザードタイガに変身した。

ゾンバットがブリザードタイガに襲い掛かる。

「はっ!」

ブリザードタイガはゾンバットを瞬殺。

「相手にならんな……」


ブリザードタイガは変身を解除し、陽介の姿に戻る。

「明日は必ず勝つ……」

陽介は改めて明日の戦いへの決意を固めた。


翌日ーー


午前11時前になり決闘の時間が近付いていた。


「そろそろだな……」

大我が時計を見て確認する。

「大我、しっかりね!」

愛が大我の背中を叩く。

「いっ……ったく……分かってるよ」

「大我のアニキならきっと勝てるよ!」

光も応援に来ていた。

「おい、来たぞ」

貴明が陽介に気付く。


「待たせたな」

陽介が現れた。

「増見陽介……」

「この戦いの目的は分かっているな?」

「ああ、こちらの食料と北エリアの発電施設を賭けての戦いだな」

「その通り。俺が勝ったら東エリアの食料を頂くぞ!」

「俺も負ける訳には行かない。全力で行く!」

大我は『ウルフチェンジャー』を構える。

陽介も『タイガチェンジャー』を腰に装着。

「変身!!」

「変身!!」

それぞれダークウルフとブリザードタイガに変身。


「いよいよ始まった……」

貴明達は固唾を飲んで見守る。


「行くぞ!!」

ブリザードタイガが先に仕掛ける。

ダークウルフも構える。

ブリザードタイガはダークウルフに掴み掛かる。

「ぐっ……」

「はっ!!」

ブリザードタイガはそのままダークウルフを力でねじ伏せ押し倒す。

そしてダークウルフを殴り付ける。

「ぐっ……なんてパワーだ……」

更にダークウルフを立ち上がらせるとそのまま蹴り飛ばしダメージを与える。

「うわっ!?」

「大我!?」

愛が叫ぶ。

「ぐっ……」

「俺は負ける訳には行かない……必ず貴様に勝つ!!」

「負ける訳に行かないのはこっちも同じだ!」

ダークウルフは『パワードフォーム』にチェンジ。

「パワードフォームか!パワーにはパワーで対抗って訳か!」

貴明が興奮気味に言う。

「行くぞ!!」

今度はダークウルフが攻撃を仕掛ける。

「ぐっ……」

ブリザードタイガに体当たりし吹き飛ばす。

「ぐあっ!?」

今度はダークウルフの反撃だ。

ダークウルフは怒涛の連続攻撃を叩き込む。

「ぐあっ!?」

「はっ!!」

「ぐっ……このままでは……」

ブリザードタイガは一瞬の隙を突き反撃。

「ぐっ……」

「ハァ……ハァ……まだだ……俺は……負けん!!」


一進一退の激しい攻防が続く……。


その頃ーー


一機のヘリコプターがエリアゼロに近付いていた。

「会長、間もなくエリアゼロです」

「うむ……抜かりは無いだろうな?」

「はい、既に地上部隊が配備され万全の体制を整えております」

「宜しいでは予定通り作戦を遂行する」

「はい!」

浅間重工の会長、浅間重俊がエリアゼロに向かって来ていた。


ブリザードタイガとダークウルフの戦いは続く。

くっ……流石に一筋縄では行かないな……

ブリザードタイガはそう思っていた。

そして、ダークウルフも……。

強い……今まで戦って来たゾンバットとは訳が違う……。


お互いの強さを認めている様だ。

そして、お互いこうも思っていた。

絶対に……負ける訳には行かない!!


2人はその想いだけで戦い続ける。

ブリザードタイガは必殺技を発動。

ブリザードタイガの必殺技は凍て付く氷と共に相手に突進する『ブリザードクラッシュ』

辺りに突然、吹雪が起こった。


「きゃっ!?」

「な……何だ急にこの寒さは!?」

「そうか……奴の必殺技か!」

ダークウルフはブリザードタイガの必殺技に対抗する為に必殺武器『パワードマグナム』を取り出す。

だが……。

「遅い!!」

ブリザードタイガは既にダークウルフの間合いに入っていた。

ブリザードタイガの突進攻撃。

必殺技の『ブリザードクラッシュ』が炸裂。

「ぐわぁぁぁっ……!?」

まともに攻撃を喰らったダークウルフはビルの壁まで突き飛ばされ大ダメージを受けた。

「大我!?」

「ぐっ……」

ダークウルフは何とか立ち上がろうとする。

「何っ!?俺の必殺技を食らっても動けるのか!?」

だが、ダークウルフの喰らったダメージは相当な物だ。

ダークウルフはフラついていた。

「ぐっ……負ける……訳には……」

「大我……」

だが、ダークウルフは力尽き変身が解除され、大我は倒れる。

「大我!?」

愛達が駆け寄ろうとする。

だが……。

「動くな!!」

「え?」

武装した男達が周りを取り囲み銃を構えていた。

「な、何だ!?」

「我々は浅間重工の者だ。君達が大人しくしていれば危害を加えるつもりは無い」

「浅間重工?何でそんな大企業の連中が!?」

「何だ貴様らは!?」

そこに上空からヘリが現れる。

「ヘリ!?」

ヘリはその場に着陸。

中から浅間会長が現れた。

「ブリザードタイガ、見事な戦いだった」

「お前は……浅間重俊……浅間重工の会長が自らお出向きとはな」

「おい、彼を連れて行け」

「はっ!」

武装した男達は大我を拘束。

「ちょっと!大我に何するのよ!」

「しばらく彼を預からせて貰う」

「はっ?何を勝手な事を」

貴明が動こうとする。

「動くな!」

武装した男が貴明に銃を向ける。

「くっ……」

「愛姉ちゃん……」

光は怖くなり愛にしがみつく。

「光、大丈夫よ」

「おい、奴をどうするつもりだ?」

ブリザードタイガが浅間に尋ねる。

「我々の研究に協力して貰うだけさ。ブリザードタイガ、君は良い仕事をした。その御礼に北エリアへの食料の支給は私がしよう」

「何だと!?」

「どの位の食料が必要かな?後で確認して連絡をくれたまえ」

そう言って浅間は連絡先を書いたメモをブリザードタイガに渡す。

「では、彼は借りて行くよ。さっさと連れてけ」

「了解!」

武装した男達が大我を連れ去って行く。

「そんな……大我……大我ー!!」

愛は叫ぶ。


続く……。

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