第37話 宴をはじめようか
「ねぇ、ほんとにいいの?」
会見する建物について、紗月と二人で過ごしていた。けど、少ししたら自分の会見の時間が来て。
俺が待機している部屋を出ようとしたとき、紗月が話しかけてくる。
ついに、向かうのだ。会見へと。
「いいに決まってるだろ? ――彼女のためなんだから」
紗月は恥ずかしそうに体をモジモジさせる。
「たしかに私は彼女だけどさ、元はといえば私のせいで……」
自分を攻めるような発言をしている紗月の口に指を当てる。
「なぁ紗月。今回の出来事は、紗月はなにも悪くない。強いて言うなら俺が少し悪かったかな、くらいだし。あとは全部、金目当てのあいつが悪いんだろ?」
「それはたしかにさ……」
紗月が落ち込む気持ちもわかる。今回の問題で、普通の一般人である俺にも迷惑をかけているのだから。
けどそれは、俺からしたら紗月に頼りにされてる、っていう嬉しい気持ちもあるし。
なによりも、紗月を守るためなら、俺が矢面に立つことなんて厭わない。
「では、琉斗さん。そろそろお時間です」
「じゃあな、紗月。行ってくるよ」
「琉斗……! 無理はしちゃだめだからね?」
「あぁ。わかってるよ。――紗月と会えなくなるなんてごめんだからな」
「私も、また琉斗とイチャイチャしたいんだから」
初めて、キスをするみたいに顔同士の距離が近くなっていって――
「あの、お二方。イチャイチャするのはいいんですけど今から記者会見ですからね?」
「……すみません」
危ない。また二人の世界に入ってしまうところだった。
「じゃ、またすぐな」
「琉斗さん、意地悪な質問からは逃げていいですからね!? 別に紗月の印象が悪くなってしまうことは仕方ありません。そもそも琉斗さんを矢面に立たせている以上――」
マネージャーさんはまだ不安みたいで。俺の緊張を少しでも減らそうとしてくれる。
「ありがとうございます。けど、記者会見に出るってのは俺の意思ですし。全部答えてきますよ。そして、俺達の仲を公認にしてきます」
「……よろしくお願いいたします」
お互いに、深く頭を下げる。
「じゃ、いっちょマスコミを捌いてくるとしますかぁ……!」
一つ意気込みを発して、座っていた席から立つ。
そしてマスコミたちが待っている部屋へと向かう。
部屋から出る寸前、紗月と目があった。
なにか言いたげな様子だったけど、わざわざ言葉にするほどのことでもなかったのか、のみこんだみたいだ。
それに――――ある程度の言いたいことならわかるさ。
もう俺達は――カップルなんだから。
さくっとマスコミのことを捌いて、なんなら世間をあいつらの誘導無しでこっちの味方になれるくらいには、ボコボコにしたいね。
絶対に、紗月とイチャイチャできる世界を。
そう固く誓って、会見場へ向かう。
「えー、みなさま。この度はお集まりいただきありがとうございます。紗つ――山本紗月さんとの熱愛が報じられた当の本人、春宮琉斗でございます。本日はよろしくお願いいたします」
さぁ、宴の始まりだァ――!
――――――
「紗月さん」
琉斗がいなくなって、マネージャーさんが私に話しかけてくる。
「なんですか……?」
「実は、本当に心苦しいのですが……」
そこで言葉を切って、
「私、今日これからどうしても、何があっても。命をかけてやらないといけない仕事がありまして。なので、今から、この場を離れなければならないのです」
……え? なんて言った? 今から、いなくなる?
「どうしても、です。紗月さんの今後のためなんです」
「……どうして、今なんですか?」
「今じゃないと、間に合わないからです」
「ってことは?」
「……ハイ、お察しの通りです」
「わかった。私、1人は不安だけど、頑張ります」
「私も影からですが。応援しています。そしてひとつ、教えてもらいたいことがありまして」
頼まれたことを教えて、マネージャーさんはこの場から出ていった。
正直、不安でしかない。なんで今、とも思ってたけど、それは理由を説明してもらって納得した。
けど、不安。不安すぎる。だって怖いもん。ずっと私のことを支えてくれて人が、この土壇場でいなくなる。
あー! もうほんとに!
――――早く琉斗の所に行きたい!
―――――――
マジでごめんなさい。昨日から高校始まって。忙しすぎて。
やばいです。助けてください。
更新頑張りたいんですよ、けど時間が。
明日からの三日間は更新の目処たってます。
そしてそこでストック作りまくります。
なので皆さん読んでください。お願いします。
再浮上の兆しがすごく見えているんです!
このまま行けば! 星1000が現実的になってくる!
皆さんまじでお願いします!
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