第2話 首相の少子化対策と俺の政策ハック
宝くじが当たった。
「バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!」
「やったー!やったー!」
と、俺は家の中でくるくる両手を上げて
天に降伏するかのようなポーズを取りながら
軽めの生活を送っていた。
宝くじが当たったところで、
生活は大して変わらなかった。
俺は欲しいものなんてあまりなかった。
そんな折にテレビをつけると、
「次元の異なる少子化対策」を首相がダラダラと生産性の低い内容のスピーチをしていた。内容が無いようとツッコミたかった。
次元の異なる少子化対策の概要は、
●子どもを産んだら50万円
●3歳までは15000円。
●3歳以上は10000円
●第三子以降は30000円
●扶養する子どもが3人以上いる場合大学授業料無料
●年収270万円以下は大学授業料無料
●テーマパークや博物館等に優先パスを作る
●離婚時の共同親権
というものであった。
なるほどなるほどとひらめいた。
一夫多妻制をすればいいと。
幸い俺は貯金は3億円あるが収入はほぼ無い。俺は低所得者層なのだ。
サラリーマンが汗水垂らして稼いだお金が俺の元に入る。
俺は幼少期に心臓病にかかっており、
障害年金を貰いながら生活している。
障害年金は子どもが生まれたら年間22万4000円増える。
つまりだ、だいたい月額2万円入ることになる。
3人子どもが俺にいればそれだけで7万円月額の収入になる。
障害年金も月額7万円だ。
しかし、もっと産めばもっと貰えるんじゃないか?
しかし、一人の妻では限界がある。
仮に20人の子どもがいると仮定しよう。
すべて18歳以下だとする。
そうすると1万円×2+(20-2)×3万円+2万×20で、
96万円/月ということになる。
しかも、低所得者なので、
大学授業料は無償だ。
俺は大して頭悪くないし、時間はあるため、
子どもの教育に俺が専念することもできる。
この法律が通ったら、生活保護者牧場や障害者牧場が多くできることになるだろう。
生活保護受給者を保護する目的で子どもを産ませ劣悪な環境で住まわせることも理論上可能である。特に女性の受給者はターゲットになりやすいだろう。
好きでもない障害者や生活保護受給者との間に子どもを次々と産ませられる。
このような中抜きビジネスはきっと生まれることだろう。
しかし、障害年金受給者自らがこの戦術を実行したらどうなるのだろうか?
俺は子供部屋おじさんであるが二階建てだ。
いっそのこと自分の遺伝子の生存戦略として、
大豪邸を建築して大量の子どもと過ごしてみてはどうだろうか?
質も量も両方取るというのが名実ともに可能になった。
かつて戦国大名は名誉か実利かどちらかを選択しなければならない場面もよくあった。
だが、俺はお金も時間もあるという超ありがたい状況に気づいたのだった。
俺はこのハーレム戦術を早速実行することにした。
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