第5話 緊急家族+エルナ会議
あの後、俺の部屋に父さん、母さん、妹の3人が乗り込んで来て、質問攻めされたので落ち着いて話す為にも1階のリビングに行き話す事となった。
席順は俺の左斜め前に父さん、その隣に母さん、父さんの前に妹、その右に俺、そして俺の右斜め前、母さんの左斜め前にエルナと感じで座っている。
母さんがお茶を全員に出している途中、俺はエルナに家族の紹介をする。
「こちら父さん、姓は白雪、名は
紹介すると、エルナは立ち上がり3人に挨拶をする。
「俊郎さん、紅音さん、絵里奈さん、よろしくお願いします、私エルナ・ミィ・フリースと言います」
そうすると、父さん達も立ち上がりエルナによろしくと挨拶をし、緊急家族会議の本題へと戻してきた、まず質問するのは父さんからだった。
「あの光はなんだ?危なくはないのか?」
その質問に関しては俺も疑問に思っていた、だが思い当たる節があるからそれを答える事にした。
「まず俺の考えでは、あれはエルナが転移してきた時の、時空の歪みで生じた光だと思う、多分危なくはないと思うよ、実際その場に居た俺が何とも無いんだからね」
そう答えると、父さんは少し呆れたような顔をし、母さんに次を促したので、次は母さんが質問して来た。
「この子はどこから来たの?」
これは部屋でエルナが聞いてきた質問とも被るので、今日家を出てからの事を話した。
「まず前提として、エルナは異世界の人物と言うことを頭に入れて聞いて欲しい」
父さん、母さん、妹は「ごくり」と唾を飲み込み、頷いた。
「今日、俺が出掛けると、いきなり霧が濃くなるが歩き続けていると知らない場所へと来て居た、そこは木造の店で店に入ると剣やら魔法のスクロールだろう物、奥にはケモ耳を生やした獣人の少女が居て、奥から足の無いお婆さんが出てきた、するとお婆さんは異世界の言語で喋り始め・・・」
するといきなり、ストップを掛けられた。
「「「ちょっと待って!」」」
俺は不貞腐れ、ちょっとイラつきながら喋るのだった。
「え?何?止めないでよ」
そう言うと、初めに母さんが質問をし、次に父さんが、最後に妹が質問してくる。
「エルナちゃんって、異世界から来たの?」
「知らない場所って何処だ!危なくは無かったか?」
「これ、ホラーじゃないよね?大丈夫だよね?」
と来たので、俺は質問に答えて行った。
「母さんの質問から、服装からでも分かるようにエルナは異世界からの転移者で俺が召喚しました、次に父さんの質問の答えは、多分異世界なんじゃない?って事ぐらいかな、俺もお婆さんに詳しい事を聞いてないんよね、「どうしても欲しいものがある、だからここに導かれたんじゃ、ここに導かれた者は全て【迷い人】と呼んでいる」と言われただけだからね、最後に絵里奈の質問だが、ネタバレをして置くとお婆さんは死んでいたけど、優しかったよ、お前を食べるぞ〜とか襲うぞ〜的な事にはならないから安心していいよ」
そうは言っても、エルナが異世界からの転移者だと3人は信じないので、エルナに許可を取り【言語理解のチョーカー】を外して喋ってもらうと、やっと信じてくれた。
「これで分かったなら話を戻すね、お婆さんと少し話すと、俺はお婆さんに連れられ【静音の間】と呼ばれ場所に連れていから【真実の鏡】を使い、心から願った物を映し出してもらって、それからは必要な道具をお婆さんから買い、店を出て家に戻る、部屋の前で絵里奈が手荷物を聞いたよな、あれは店で買った物だったんだよ、それから部屋に戻り、召喚の儀式をし、エルナを召喚したと言う事だよ、これで分かった?」
そう聞くが3人は心ここに在らずと言った感じで天井を見つめていた、逆にエルナは自分なりに気になった事を質問してきた。
「つばさの行った店の名前を伺ってもよろしいですか?」
俺はそれを言って何も困らないので言う事にした。
「確か店の名前はディゼルと言ったよ」
そこでエルナは「ハッ!」と驚き、教えてくれた。
「ディゼルと言う店は、私の居た世界で有名な場所で、そこに行けた者は幸運で、店にある【真実の鏡】を使った者は何でも願いが叶うと言う噂が有りました、私はどうしても叶えたい事がありましたが、行けませんでしたけどね・・・」
とエルナは言いながらまたもや、作り笑いをしていたが、エルナはニコッと笑い「今はその願い叶いましたけどね」と言っていた。
俺はそんなエルナの顔を見ながら「それは良かったな」と笑いながら頭を撫でるのだった。
そんな事をしていると、3人の意識は戻って来て話は再開した、まずは父さんがエルナに質問して来た。
「俺たちはエルナちゃんを迎えるが、エルナちゃんはどうしたい?」
その質問に対して、エルナは俺をチラッと見て答えた。
「迎えて貰えるならありがたく迎えて貰えると助かります」
次に母さんが、エルナに対して質問してきた。
「向こうに帰られないかも知れないけど、大丈夫?」
するとエルナは・・・「大丈夫です、向こうに未練はありませんから」と答えていた、この場に居た全員が気付いたがこれは嘘では無い事を知り安堵した。
最後に妹がエルナと言うか父さんと母さんに質問して居た。
「エルナさんはここに住むって事になったけど学校とかは行くの?もし行くとなったら、何年生になるのかな?」
それは俺も気になっていたので父さんと母さんに俺は提案する事にした。
「エルナは15って言ってたから、俺と同い年でしょう?だから1ヶ月遅れとかで同じ高校に通えないかな?1ヶ月の間で勉強とか教えれば行けそうだと思うんだけど」
そんな話をしていると、エルナが質問してきた。
「学校とか高校って何ですか?」
あれ?異世界には学校がないのかな?俺は気になり質問してみた。
「エルナの世界って学園とかないの?」
「私、小さい頃からずっと教会で聖女として働いていたので、そう言うのは知らないんですよね」
今ので少し、過去の彼女が分かった気がした。
「学校や高校って言うのは、大人が子供に勉強を教える場所だよ」
多分説明はこれで良いだろう、その説明を聞いたエルナは、少し興奮しながら答えてくれる。
「私、高校と言う場所に行ってみたいです!」
うん、可愛い・・・そんなこんなでエルナが学校に通う事が決まり、緊急家族+エルナ会議が終わった。
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