第4話 意思疎通

少女をベットに寝かせた後の俺は、1人反省会をしていた。


「まじで召喚しちゃったよ・・・どうしよう、てか初対面で可愛いは無いだろう、可愛いわ」orz


まぁ実際めっちゃくちゃ美少女でびっくりしたけどね、こんなに可愛い少女が存在するなんて異世界まじ最高過ぎる、お婆さんありがとう、異世界の少女よ呼び出してごめんなさい。


と心の中で思いながら、ベットで眠ってる少女に数分程土下座し、顔を上げ少女の顔をよく見る事にした、最初にパッと見ただけだがそれでも可愛いと思う程の顔、見ないと損じゃないか!


服は異世界ラノベとかでよく見る教会の人が来ているシスター服、頭から銀色の髪が腰まで伸びており、顔は誰が見ても美少女だと疑わない程綺麗で少し幼さを感じる、口はプルプルと潤っており、頬は少しピンク色、耳は人間の耳と同じ、という事は同じ人族か。


確かお婆さんは言っていたよな、なんだっけ・・・あっ思い出した「異世界には人族以外にも獣人族やエルフと言った亜人が存在していれば、魔族などが存在するから魔法陣の上に乗せるのは勝手に追加するな」と、俺は魔法陣の上には言われた材料しか乗せてないので、召喚されたのは人族の少女って事か、だったらこっちの世界でもどうにか出来るか。


そんな事を考えていると、少女は息を荒くし「やめて、お母さん、お父さん、誰か、助けて」と呻いていた。


俺は少女が心配になり、手をぎゅと握り「大丈夫だよ、安心してくれ、危害を加えるつもりはないよ」と喋りかけるのだった、その声に落ち着いたのか、また規則正しい寝息をさせて眠るのだった。


俺は手を握ったまま、少女が来てからのおかしい点を考えるのだった、1つ目、あの魔法陣やらの道具は何処へ消えたのか、2つ目、あの眩い光はなんだったのか、3つ目、少女の喋った言語、異世界語を何故理解出来たのか、4つ目、俺が喋った言語、日本語が何故少女に伝わっているのか、そうでもしないとあの照れ具合はおかしい。


最初に考えられるのは【理解の眼鏡】の隠し効果だ、あれは文字を読む為にある物で、聞くための道具では一切ない、という事は4つ目の理由に繋がるのかな?そうすれば理解は出来る。


多分隠し効果はこれだろう〜【理解の眼鏡】〜隠し効果:眼鏡を付けた物の言語を異世界語に翻訳し3つまで相手に伝える事が出来る。


それなら俺は、もう3回使ってる事になる、「嘘、本当に成功するなんて・・・」「可愛い・・・」「大丈夫だよ、安心してくれ、危害を加えるつもりはないよ」の3つだ、これやばくない?この【言語理解のチョーカー】はどうやって付けよう、俺の知ってる異世界ファンタジーって首輪は奴隷の証になるってのが多いんだけど、どうやって付けてもらおう・・・。


そんな事を考えていると、いきなり部屋の扉を勢いよく開けられ、妹が入ってくる。


「お兄、今の光何?お兄が勉強頑張れって言うから頑張ってるのに、邪魔しないでよ!」


そこまで言い終わると、俺が誰かと手を握っているのを見たのか、いきなり叫びながら1階に走っていくのだった。


「お兄が、彼女連れ込んでる!私が居るって言うのに・・・」


妹よ、何か勘違いしてないか?それに妹が居ても彼女は作るだろう?


妹の叫び声を聞いて起きたのか、少女がベットから上半身を起こし、目を指で擦り欠伸をし、周りを見回し俺を見つめ数秒・・・少女は状況を理解したのか、腰にあるナイフを取ろうとしたが、先に俺が危ないからと思い少女が寝てる間に机に置いといたので、少女は困惑していたので、俺は身振り手振りだけで【言語理解のチョーカー】を付けさせてもらおうと頑張った。


「これを、君の首に、付けさせて」


「これを」で【言語理解のチョーカー】を差し出し、「君の首に」で少女の首を指さし、「付けさせて」で首に回すジェスチャーをする。


すると、少女は後ろを向き髪を上げてくれたので、俺は通じたと思う事にし、猫のデザインがしてあるチョーカーを付けてあげ、喋りかける。


「これで俺の言葉は分かるかな?」


すると少女は、少し怯えたように答えてくれる。


「はい・・・分かりますよ、所で貴方は誰で、ここはどこですか」


「ふぅー」と俺は一息付き、お婆さんから貰った【言語理解のチョーカー】が仕事してくれて良かったと安堵する。


お婆さんの事を信用していない訳では無いが、万が一使えなかったとしたら意思疎通をどうするか迷っていた所だったからな。


「俺の名前は、白雪しらゆきつばさって言います、出来ればつばさと呼んで欲しいな、そしてここは地球の日本って国で、君にとって異世界って言えば伝わるかな?」


そう言うと、少女は安堵のため息を付き自己紹介を始めた。


「私の名前はエルナ・ミィ・フリース〈ディクシア〉と言う国の王都で教会の『聖女』をやっていました、年齢は15です」


俺はその自己紹介を聞き、やっとシスター服を着ていた意味を理解した、確かに聖女と言うならシスター服は当たり前だ、それにしても16?もう少し幼さを感じるが同い年か・・・ありだな。


ようやく理解したよ【真実の鏡】よ、俺に魔法陣の描かれた紙を映し出したのはこの為だったんだな、この少女と付き合えという事だな、分かったよ、その願い聞き届けるよ。


まぁ、実際は俺が心から願った事なんだけどね、一旦それは置いといて『聖女』か・・・こんなに高位の方を呼んじゃって良かったのか?


「エルナさん、こちらからも聞きたい事があります宜しいでしょうか?」


エルナさんは少し考えた後、答えてくれた。


「その聞きたい事とは何ですか?後エルナでいいですよ」


俺はさっき考えていた、懸念点を質問した。


「エルナはさっき聖女と言いましたよね、そうな高位な方が呼び出されたっていうのに、教会は大丈夫なんですか?」


聞いた所で戻せないから、聞かない方が良いんだろうけど気になるからな。


エルナは少し考えた後、キッパリと言い切る。


「私が居なくとも、どうにかなりますよ」


そう言うエルナの目は少し呆れた目をしていて作り笑いをしていた、何か過去に・・・ディクシアにいた頃、嫌な事が合ったのだろうと思わせたが、俺は気にしない事にした。


「それよりも、私はどうやって呼び出されたんですか?」


といきなり、エルナは顔を近付け聞いてきたので、俺は少し照れながら「顔が近い」と頬を赤く染め横を見るのだった。


そんな事をしていたら「ドタドタ」と階段を登ってくる大きな足音が3つ、部屋の前で止まるなり、いきなり3人が入って来たのでエルナの質問に答えられなくり、緊急家族会議が始まるのだった。


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