第3話 召喚者と異世界の少女は出会う

 元来た道へと戻ってきた俺は、ディゼルで買った物が入っている袋を持ち、家に帰るのだった。


 ◇◇◇


「ただいま」


 家に帰るなり俺は洗面所へ行き手を洗い、居間にあるタンスを開き、針を1本取り出し、2階にある自室に戻るのだった。


 階段を上がり終えると、妹が部屋から出てきて俺に喋りかけるのだった。


「お兄、おかえりってその荷物は何?」


 俺はディゼルで買った物を教えるべきか迷ったが言わないことにし、話をそらすのだった。


「これはなんでもないよ、それより勉強は捗ってるか?今年受験なんだろう、頑張れよ」


 俺はそう言い、妹の頭を撫でると妹は少し嫌そうにし、俺の手を跳ね除け1階に行くのだった。


絵里奈えりなもお兄ちゃんと仲良くすればいいのに、難しい年頃なのかしら?」


 妹を見送り部屋に入ろうとすると、いきなり母親が話しかけてくるので俺は振り返り、少し話す事にした。


「確かにそうかもね、中3なんて反抗期真っ只中だろうね、それよりもどうしたの?」


「洗濯終わったから持ってきてあげたのよ」


 母は思い出したように、手に抱えていた俺の服を渡してくれる。


「母さん、ありがとう」


 俺がそう言い洗濯物を受け取ると、母は1階へ戻って行ったので俺は改めて、部屋の扉を開け中に入り、机の上に買ってきた物を並べて言った。


「これで全部か」


 今机の上にある物を確認しながら、ディゼルでお婆さんと話した事を思い出す。


「まずはこれか」


 そう言って持ったものは【理解りかい眼鏡めがね】と言う物だった、確かお婆さんはこう言ってたな。


「【理解の眼鏡】は呼び出す為に必要な呪文が書かれた紙を解読する事が出来る、自分の知らない言語を読み解く、など物の情報を見ることが出来る、が一つあるが、調べてもそれに関しては何も情報がない」


 って、隠し効果が気になるが次だな、次に持ったのは、魔法陣の描かれた紙、だった。


【理解の眼鏡】を付け、魔法陣の描かれた紙を見ると情報が頭に入ってきた。


 〜魔法陣の描かれた紙〜

 こことは異なる世界の人物を呼び出す為の道具、これ一つでは呼び出す事は出来ない。


 これはまぁ、お婆さんが言っていた説明と同じだな、次に手に取ったのは【言語理解のチョーカー】だった、それを同じく眼鏡を通して見ると、情報が頭に入ってきた。


 〜【言語理解のチョーカー】〜

 付けた者の住んでいる世界の言葉を理解出来るようになる、色は好きなように変えれるようになっている。


 付けた者って事は、俺が付けてあげないと行けないってことか、少しハードル高くないかな?


 一旦それは置いといて最後にこれか、と言い取り出したのは、呪文の書かれた紙だった。


 一旦【理解の眼鏡】を外し、その呪文を読んでみることにし、見るとそこにはこう書かれていた。


 Ю◘゙▓◘£☾↷Å゙д゙┼‰£◘£◥☠゙↝Ч゙¿、Ю◘゙⥤@☾ℵ╪ Å゙◘*◙ЙЮ*↸、☠ღЙ◘↝£▓◘£☠゙↝


 なにこれ、全く読めないんだけど、そう思い【理解の眼鏡】を付けると、読めてくるよになった、えっとなになに?


「我が世界に呼び出すは異界の人物、我が声に導かれ現れろ、召喚異世界人」


 なにこれ、めっちゃ厨二病臭いな・・・これを今から読むのか、少し嫌だなと思いつつ準備するのだった。


「確かお婆さんが言ってたのは、部屋を暗くして、魔法陣の描かれた紙を上にして床に置き、その上に造花のバラを全色と鶏肉のブロックを500gを置くんだよな、その後血を3適垂らすんだよな」


 俺は針を使い、魔法陣の上に血を3適垂らし、呼び出しの詠唱を始めた。


「我が世界に呼び出すは異界の人物、我が声に導かれ現れろ、召喚異世界人」


 そう詠唱すると魔法陣は眩く光、反射的に目をつぶってしまった。


 ◇◇◇


 どのくらいの時間が過ぎただろう、光が収まり目を開けて見たら、目の前にはシスター服を着た、銀髪の幼そうな、そうでも無いような、少女が周りを確認しながら立っていた。


「嘘、本当に成功するなんて・・・」


 俺がそう呟くと、シスター服を着た少女はいきなり後ろへバックステップをし、腰からナイフを取り出し、こちらに意味の分からない言語で話しかけて来た。


「⥤⥤‰➷゙⥤?◙/д‰/☾⇏◥!Юд☠彡➷゙Й┼◑¿⇏#!」


 言語は分からない筈なのに、俺は何故か意味を理解出来てしまった。


 少女は「ここはどこ?あなたは何者!私をどうするつもり!」と言っていた。


 俺は、そんな少女の言葉を右から左へと聞き流し、呟くのだった。


「可愛い・・・」


 そう呟くと、少女は顔を真っ赤にし「はわわ」と言い倒れるのだった。


 俺は危ないと思い、すぐさま近寄り、抱き寄せ布団に寝かせるのだった。


 その後、俺は妹が部屋に殴り込みに来るまでの間、1人反省会をするのだった。


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