第18話 修羅の魂
夜の
背の高い
全員が武装した兵士たちだ。
この部隊の指揮を
その銀髪は夜の
「将軍
チェルシーの前に
彼は大陸から海を
今はチェルシーの直属部隊で副官を務めている。
チェルシーは報告を受け、シジマに命じる。
「
そう言うチェルシーにシジマは
チェルシーは遠くに見える街の明かりに目を細め、その平穏を自らの手で今から壊すのだと心を決める。
その原動力となるのは彼女の胸を焼き
チェルシーの
胸に火が入ったのを感じたチェルシーの顔には迷いなき修羅の
(ワタシは止まらない。姉さま。あなたをワタシの目の前に引きずり出してその
チェルシーは立ち上がり剣を抜くと、それを天に突き上げた。
「全軍進め!
息を潜めるように
☆☆☆☆☆☆
ジャスティーナの呼び掛けに応じて天幕の中に入ったジュードは血の
中には首を貫かれて血まみれで死んでいる3人の男の遺体が横たわっている。
そしてその他に、金髪の少女と黒髪の男児が
(この男の子が……)
だが、それよりも金髪の少女の様子が気になった。
ジュードはプリシラに歩み寄ってその目の前にしゃがみ込むと、サッと彼女の全身に目を走らせた。
見たところ目立った外傷はない。
しかしジュードは彼女の
その手はぐったりとしていて力が入らない状態だ。
ジュードは即座に予想した。
「何かの薬品を摂取させられたな。意識の
そう言うとジュードは背負っていた袋を地面に下ろし、その中から小さな
それは茶色い
「ジャスティーナ。それからそこの少年。少しだけ離れて口と鼻を
ジュードのその言葉を聞いてジャスティーナはすぐに黒髪の少年に歩み寄った。
そして自分の腰に下げている
「助けてやるから、少しだけ
そう言うとジャスティーナ自身は自分の服の
ジュードは自分の顔に布を巻いて口と鼻を
それを金髪の少女の顔近くに寄せた。
その
すぐにジュードは
そしてむせている少女の背中をさすってやった。
「ゴホッ! ゲホゲホッ!」
「すまないな。ちょっと荒療治だ」
そう言うとジュードは、今度は
「ゆっくり。ゆっくり飲むんだ」
少女は言われた通り、水を少しずつ飲み、ほうっと息をつく。
すると次第に意識がハッキリしてきたのか、顔を上げた彼女の顔には先ほどまでより明確な意思を宿した表情が浮かんでいる。
少女はジュードを見て、それからジャスティーナにも視線を送ると、礼の言葉を口にした。
「あ、ありがとう。助けてくれて」
その少女がきちんと教育の
ジュードは
「俺はジュード。そっちにいる赤毛の彼女はジャスティーナ。君たちの名前を聞いてもいいかい?」
そう言うジュードに少女は彼と、そしてジャスティーナを見た。
ジャスティーナは小刀で少年を縛る
その様子を見て金髪の少女は意を決したように告げた。
「アタシは……プリシラ。統一ダニアの金の女王ブリジットの娘。そこにいるのは弟のエミル」
その言葉にジュードとジャスティーナは
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