「恥ずかしい、の?」

 みんなが驚く声が聞こえてくる。そのことを嬉しく思いつつみんなに追いついた。そして、かなり力を込めて作った、自分でもいい出来だと思える大浴場を眺めた。


(うんうん、やっぱりいいね。ちゃんと温泉って感じになってるね。まぁ実際は銭湯だけど細かい部分は気にしないでいい、よね? 創造魔法をうまく使えば本物にできるかもだけど……それはまた別の機会、かな?)


 やろうと思えば何でもできてしまうというのは考え物だと思う。どんな難しいことでも、できそうにないことでも、とりあえずやってみようという気になってしまう。そしてそのまま、時間を忘れてもの作りに没頭しちゃいそうな気もする。みんなと一緒にいるこの時間を大切にするためにも、ちゃんとブレーキをかけれるようにしておこう。


「あ、ハツキ! これなに⁉」

「お風呂、だよ。知ら、ない?」

「わかんない!」


 自信満々の笑顔でエイナはそう言いきった。すごくかわいい。他のみんなもエイナ同様やっぱり分かっていないみたいだ。


「そう、だね。簡単に、言うなら、溜まってる、お湯に、浸かって、体を、綺麗に、して、心を、リラックス、させる、場所、かな?」

「えっと、つまりは水浴びみたいなことですか? ハツキさん」

「そう、だよ。まぁ、体を、洗う、のは、魔法で、良いから、癒し、が、メインに、なる、かな」

「そうですか……えっと、入っていいんですか?」

「もちろん、だよ。みんなで、入ろう、か」

「「「え?」」」

「え?」


(あれ? わたし今変なこと言ったかな? えっと、みんなで一緒に入ろうっていっただけだよね……どこかおかしいことあるのかな?)


「あの……ハツキ? みんなでって、レイ君とフカミ君も一緒にってこと?」

「そう、だけど? なにか、おかしな、こと、ある?」

「いやあるよ⁉ 子供だけど、男女の差はあるんだよ⁉」

「そう、だね。それで……それが、なに?」

「??????」


 エイナは心底わたしが何を言っているのかがわからなさそうだ。それは私も同じだが……あれ、エイナ顔が赤いな?


(他のみんなも、レイとメイ以外は顔赤いね……性別の差、顔が赤い、多分わたしの方がおかしい。つまり……あ、そういうこと?)


「みんな、恥ずかしい、の?」

「そうだよ! 何で気づかないの⁇ フカミ君もそうだよね?」

「はい……いくら何でも、無理、です」

「そっか……そう、なんだ」


(当然のこと、なのかな? いや、当然のはずだよね? お風呂とか、誰かと入るのが当たり前だったから、忘れてた。恥ずかしい、よね。普通は……)


「あー、うん。そう、だね、仕切り、作る、よ」


 なんというか、別の意味で異世界を感じたな。わたしの方が異世界側だけど。





あとがき

 はい。マジすみませんでした。一か月以上更新しなかったこと、本当に申し訳ありません。ただの言い訳なんですが、普通に忙しかったです。まとまった時間がなかなか取れず、気が付けばこんなに時間がたってました。

 この反省は、これからの行動で示していくとして、ハツキのちょっと変わっている部分が見えましたね。常にだれかの補助が必要と言っても過言ではない生活を送っていたため、必然的に裸を異性に見られることも多くありました(医者とか父親とか)

 他にもこういう部分はありますので、そこらへんもお楽しみに。

 さて、お風呂シーンってどうやって書けばいいんだろう?


 

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