穏やかな一日の始まり

 布団の中で寝転がり、エイナの寝顔を眺めながら考える。


(明日からの生活は、どうなるかな? 嫌われてはいないとは思うけど、もっと仲良く、なれるといいな。どうすればいいだろう?)


 これから先、とても長い時間をみんなと過ごすことになる。時間さえかければ、どこまでも親密になっていけるだろうけど、楽しい時間は長いほうがいいと思うから。だけど……本当にどうしたらいいんだろう? 今までこんな風に誰かと仲良くなるなんて、考えたことなんてなかった。こんな風に誰かと接することができるなんて、思ったことがなかった。


(わかんないよ……人と仲良くなる方法なんて。本当にどうしたらいいんだろう? 考えなきゃ。そうだ、前世で読んだ本とかに何か書いてなかったかな? 思い出してみよう。きっと、きっと何かあるはずだから!)


 そんな風に考え続け、気が付いた時にはもう朝になっていた。悩み続けて出した結論としては、特別なことをするのではなく、スキンシップを増やすというか、距離感を近くするというか、そういう感じだ。エイナと仲良くなれたのは、普段からそういう風にしていたからだと思ったからだ。


(あれ、もう朝? そんなに悩んでたんだ、わたし。とりあえず結論は出せたけど、具体的にどうするのがいいかな? えっと、頭をなでたりとかは……もうやってるね。ハグとかも……してるね。えっと他には……あれ? わたしが思いつくこと、もう全部してる?)


 よくよく考えてみたが、わたしが考えたことは、すでにもうやっていることに気づいた。あれ? もしかして、考えた時間全部無駄になった?


(…………いやいやそんなことは無い! 特別なことをしなくてもいいって気づけただけできっと十分だから!)


 自らにそう言い聞かせながら布団を出る。とりあえず朝ご飯を作ろうそうしよう。


(とりあえず今日することは、朝ご飯作って、それからは……やらなきゃいけないこと、特にないね。そうだ、なにか娯楽になる施設とかでも作ってみようかな? あとはリラックスできるものを……あ、そういえばまだお風呂とか作ってないじゃん! 魔法で身体洗えてたから忘れてたな。うん、今日はお風呂作ろうか。でっかいのを)


 どんな感じにするかを想像しながら、朝ご飯を作っていると、誰かが起きてきた。視線を向けると、ナツメが目をこすりながらこっちに来ていた。


「おは、よう。ナツメ。よく、眠れた?」

「……うん。ぐっすり眠れた……おはよう、ハツキさん」


 ナツメに続いて、他のみんなも起きてきた。眠そうな表情のみんなを見ていると、ここが安心できる場所なんだと確かに実感できて、素直に嬉しいと思った。

 今日も、穏やかな一日が始まる。





あとがき

 えーっとはい。投稿が遅くなりマジすいません! なかなか小説を書く時間が取れず、かなり待たせてしまいました。まだまだこの話は続いていきますので、気楽にお楽しみください!


 

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