140㎝のお姉ちゃん(24歳)
あの後、盗賊たちが何か置いて行ってないか確認したところ、結構売れそうなものが見つかったので、もらっていくことにした。とは言えわたしは使わないので、保管することになるだろうが。わたしとしては、この大陸の地図らしきものが見つかったので結構嬉しい。子供たちを家に帰すのにも役立ちそうだ。
それはそうとして、とりあえず洞窟を出たのだが……どうやってみんなを連れていくのか考えてなかった。一旦わたしの家に来てもらうとしても、森の中を抜けるには時間がかかるし、30人くらいをまとめて浮かせるなんてやったことは無いし、失敗したら怖い。うん、どうしよう?
「ねぇ……お姉さんは、なんで私たちを助けてくれたの?」
そんな風に色々考え事をしていたら、子供たちの代表的な感じになっている、背が高めの子が話しかけてきた。
「何で……半分は、わたしが、助けたい、と、思った、から。もう、半分は、この子の、ため、かな」
そう言って、変わらず手をつないでいたエイナに視線を向ける。
「わたし、たちは、この森に、住んでて、盗賊、たちが、いると、安心、できない。この子に、不安な、思いは、してほしく、ないから」
そんな風に話していると、他の子供たちも何か聞きたそうにうずうずしていた。
「なんでも、好きに、聞いていいよ?」
「お姉ちゃん、お顔見せてくれる?」
「うん、いいよ」
そう言って私はフードをとった。エイナもまたフードをとっていた。何というか滅茶苦茶みられている気がする。うん、恥ずかしいね、これ。気のせいだと思うけど、小さな声で可愛いって言われているような……客観的に見て自分が可愛いのは、初めて鏡を見た時に分かっているけど……いや本当に恥ずかしい。
「そんなに、見られると、恥ずかしい、よ?」
「うん、恥ずかしいね、ハツキ」
それはエイナも同じようだった。エイナの顔もとてもかわいく、将来間違いなく美人になるのが想像できる。
「お姉ちゃん、ハツキって言うの?」
「うん。わたしは、ハツキ。そして、この子が」
「エイナだよ。よろしくねーみんな!」
子供たちもまた、わたしたちに自己紹介してくれた。一気に30人くらいの名前はさすがに覚えられないが、
「ハツキお姉ちゃんたちは何歳なの?」
「私は10歳だよ。みんなと同じくらいだね! ハツキは、何歳だっけ?」
「エイナにも、言って、なかった、っけ? えっと、わたしは――」
(転生した時が18歳だったよね? 5年経った時にエイナに会って、それから1年経ってるから……)
「24歳だね」
「「「「え⁉」」」」
「え?」
あとがき
タイトルにあること何も嘘がないんですよね。自分で考えたけど、面白いステータスしてるねハツキ。
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