異世界初の会話相手は、鳥?
ゆっくりと目を開ける。眩しい光が入ってきた。どれくらい時間がたったのだろうか。昔か長期間寝ることがあったため、二、三日眠っていたとしてもおかしくないだろう。周囲を見渡すと、たくさんの鳥が囲んでいた。
「むにゃ……おはよう、鳥さん。こんなに囲まれてるけど、なんでみんなわたしに触れないんだろ……あ、空気の壁、張ったままだった」
空気の壁を解くが、みんな近寄ってこない。見えない壁が消えても分からないのは当然かな?
(どうにかして意思を伝えることはできないかな? えっと、意思を直接伝えるイメージで……『近寄っていいよ。もう大丈夫だから』……これでいいかな?)
伝わったのかはよくわからないが、恐る恐る鳥たちは近づいてきてくれた。肩や頭、足に乗ってくる鳥たちを見てすごく癒される。
(可愛いなー。逆にこの子たちの意思を理解することも、多分できるよね?)
きっとできると信じ、鳴き声から意思を読み取るようイメージして会話を試みる。
(あれ、ちょっと待って。わたし、異世界で初めての会話相手、鳥なの? 神様は文章だったから、会話って感じしないし……気にしないようにしよう。うん)
『おはよう、鳥さん。わたしの言葉、聞こえてる?』
滅茶苦茶鳥たちが鳴きだした。ちゃんと伝わったらしい。わたしに対してあいさつをしているような意思が伝わってくる。
『わたし、どれくらい寝ていたか、わかる?』
多くの鳥たちが分からないといっている中で、信じられない数字が聞こえたような気がした。
(え、太陽が七回回った? え? わたし、一週間くらい寝てたの? 本当に?)
思考が停止する。突然動かなくなったわたしに、鳥たちは不思議そうな目をしていた。頭に乗っている子が突いてきたことで何とか思考を取り戻せた。
(そっか。普通だったらお腹がすいたりして目が覚めるんだろうけど、わたしはそれがないからずっと寝てられるんだ……目覚まし時計でも作ろうかな)
下手したら一生寝てしまいそうな現実を理解し、対策する必要性を感じた。それはそうと、鳥たちに声をかけいったん離れてもらい立ち上がる。
「よし! ここで暮らすと決めたからには、いろいろ準備しなきゃだね。家は必要だし、危険なモンスターが入ってこないように防衛設備作ったりもしなきゃだよね。他にも、畑とかも作ろうか。わたしは食べる必要はないけど、いつか人が来るかもしれないんだし、用意しておかないと。他にもいっぱい必要なものもあるだろうな。うん、時間はいっぱいあるから、いいものを作れるよう、頑張ろう!」
あとがき
次回はかなり時間が飛びます(5年くらい)。そして、多分ヒロインが登場します。あと主人公の名前が決まります。
正直言うなら主人公もヒロインも名前が全く決まっていないため、次の投稿が結構遅れるかもしれません。名前が決まったら投稿しますので、気長にお待ちください。
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