大切なのはイメージ

 とりあえず、確認すべきは創造魔法だろう。さっき鏡を出したときは、わたしが欲しいと願った。だから、出現した。よく見ればデザインは家で何度も見ていたものだ。はっきりとイメージすれば形になるってことだろう。


(何を作ってみようかな? はっきりとイメージできるもの……刀?)


 そう思った瞬間、目の前に刀が現れていた。祖父母の家で何度も見ていたそれが目の前にあった。


「あ、できた。じゃあ他のものも作ってみよっか」


 イメージしたものがどんどん形になっていき、気が付いた時には目の前に作ったものが山のように積み重なっていた。


「……作りすぎたな。それにしても、いくら作っても全く疲れないな。ふつうなら魔力切れとかありそうなのに……もし魔力があるんだったら、私はどれくらい持ってるんだろう?」


(どうすればいいんだろう? 魔力を、直接見れたらいいんだけど……あれ?)


 そう思った瞬間、自分の周りをオーラのようなものが包んでいるのが見えた。自分だけじゃない。作った物や周りの木々も量に差はあれどすべてに見えた。


「もしかして、これが魔力? なんで見えるように……創造魔法ってもの以外も作れるの?」


 今わたしは、魔力を見る力を作ったのだろうか? それとも目を作り変えたのだろうか? 細かい部分は分からないけれど、創造魔法は思っている数倍、何でも作れそうだ。


(ほかのものと見比べても、わたしの魔力は段違いで多いみたいだね。よっぽどなことがあっても無くなる気がしないな……無限なんてことは、無いよね? いやあの神様ならあるかも。念のため、これもばれないようにしなきゃだね。それよりももっと実験しないと)


「イメージが大切なんだよね? だったら、あの辺に水の球を作る感じで……よし、できた!」


 イメージした通りに水の球を作ることができた。


「うん。楽しいねこれ。ほかにも色々できそうだね。風を吹かせたりとかは……できるね。火をつけたりとかも、できる……あ、やばいやばい燃えたらまずい‼ 水、水出さないと!」


 森林で火をつけたら燃えるのは当たり前だ。何やってるんだろわたし。


「ふぅ……消火できた。にしても、想像以上に何でもできるな」


(魔法に関しては、とりあえずこれくらいでいいかな? あとは、そうだな。自分の戦闘能力を確かめてみよう。戦わなきゃいけないときは、来るだろうから)


 わたしは、初めに作った刀を手に取りしばらく体を動かしてみた……が。


「……うん、だめだねこれ。身体能力は普通に高いのに、武器を振ったりとかしようとすると、全然うまくいかないな。なんでだろう? これももしかして、神様の影響? 私には武器を使うなと? なにそれ?」


(そっか。転生してもわたしは約束を守れないんだ……いや、あきらめちゃだめだ。時間はいっぱいあるんだから、きっといつかできるようになる。だから今は考えないようにして、できることに集中しよう)


 今後のためにも、わたしは攻撃や防御に使える魔法の研究を開始した。





あとがき

 なんで主人公は武器を使えないのでしょうかね? それと、約束とは何なのでしょうか?

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