第3話 三分の一の黒の重み
今日も浮かない顔をして帰路に着く。
完敗な一日に今日も乾杯。
(ここで一杯やりたいが未成年なので飲めない。)
数学のベクトルの問題で内分点を打つ場所をミスして無駄に頭を抱えたりそれを見た友人に笑われたり。
購買で学食を買おうと長蛇の列に並んだ挙句所持金が足りないという理由であと一つだった人気メニューに手が届かなかったり。
黒い笑い声が聞こえてくる。
その度に自分の中にある黒い重心が育つ。
それは宿主が取り払おうとも常に体の真ん中にある。熱もないのに頭までぼんやりしてくる。
コーヒー中毒になった時も胸に苦しさを感じたことがある。
ただ今回はそれとは異なるボーリングのような球が胸にある苦しみなのだ。
どうすれば楽になれるのかと考える。
黒い笑い声の持ち主たちにはわからないこの苦しみを体から取り出す方法を。
そうか
吐き出せば楽になれるのか
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