第15話 何しにきたの?

目を覚ますと見慣れない白い天井を知らないベットの上から眺めていた。あれ?私は何してたんだっけ?レジをしてて、気づいたらクラクラしてきて・・・・

ハッとなり私は急いでベットの上から起き上がるが、体が重くて視界もまだクラクラしている。

「嘘・・・・・」フニャけた声を発してベットの上に再び横になる。

倒れたんだ私、私・・・急いで時間を確認する、時刻はもう十八時を回る頃。

倒れて・・それから?店は?笑美さんは?不安と疑問が頭の中を埋め尽くす。

「何やってんの・・・・私」

気づいたら目から涙が溢れてきて止まらない、バイト二週間目にして熱を出して倒れる・・自分が情けない、悔しい。

「美心ちゃん?大丈夫?」

気づいたら笑美さんが顔を出し私に駆け寄っていた。

「すいませ、ん、私・・・・私」

「良かったーひとまず喋れる様になって、ずっとうなされてて熱も全然落ち着かなくて・・・」

笑美さんは薬とコップを私に渡して、飲むよう指示した。

「薬飲んで、すこし落ちついたら着替えてね、家まで送ってくから」

「そんな、悪いです!一人で帰れます!」

自分の体調が悪いせいで倒れて、看病してもらって、その上家までなんて・・・・

そんな迷惑は絶対にかけれない。

「ダメ!帰りにまた倒れたらそれこそ危ないじゃん!それに私にも責任あるから」

「笑美さんは何も悪く無いです、全部私のせいで・・・」

「いいから休んでて!店の片付けしてくるから!」

私の言い分を聞かずに笑美さんは店の片付けに行ってしまった。

こんなはずじゃ無かったのに・・・後悔の念だけが私に残る。

私は『笑顔のパン屋』に何しにきたの?無理して迷惑かけるため?

バイトを始めて早々にこんな事になるなら最初からやるべきじゃ無かった。

 

 

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