第10話 序盤は好調
動き始めた敵の大軍を前にして、藤田は、仲間たちからすれば魔法の呪文としか思えない言葉を口ずさんだ。
「
その言葉に応じて、
すでに、力の一部については検証済みであったが、全軍を挙げた反撃がどれほどの規模になるのかは、藤田自身も予想できていなかった。
その光景は、どんな予想も超えて、あまりにも
「おお・・・」
四人の勇者たちも、その驚くべき光景を目にして、思わず感嘆の声を上げた。
彼らの後ろから、大地を
藤田も、思わず身震いした。
「この
思わず目に涙を浮かべながら、彼はそうつぶやいた。
同時に、自衛隊という
日本には、
藤田に召喚された、万を越える精霊たちは、
「すごい・・・すごいぞ、ソーリ殿。まさに、太陽の国から来た、最強の男」
いつもは弱気なバヌスも、興奮して手を叩く。
「すごい・・・な、確かに」
グロリアも、口をぽかんと開けて、その驚くべき光景を見守った。
またたく間に魔王軍の第一陣を
「あれ・・・なんか、はじめはもっと数が多くなかったか?」
異変に気づいたマーカスが、目をしばたきながらつぶやいた。
藤田も、そのことに気づいていた。はじめは、優に万を越える精霊たちだったはずだが、今やその数はどう見ても二千から三千・・・魔王軍の十分の一ほどだった。
「もしや・・・
藤田は嫌な予感がして、背筋に冷たいものを感じていた。
自衛隊の弾丸や装備品の
「ううむ」
藤田は困り果ててうなった。
精霊たちの数は減り続け、もう一千も残っているかどうか分からないほどだ。
「ソーリ!」
マーカスが
藤田は申し訳なさそうに仲間たちを振り返った。
「すいません・・・思ったより、苦戦しそうです」
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