第8話 最初の授業
(世界観の説明回になりそう…。)
―― あらすじ ――
3人の知り合いができた?
―――――――――
クラス分けが終わり最初の登校日。行事が終わり普通の学校生活が始まる。
HR等は無く出欠席の確認を終えたらすぐに授業だ。最初の授業はどのクラスも世界史が行われることになっている。理由は今の世界の状況を知り、将来のことを考えてほしいから…だそうだ。
「圧縮学習の影響で考え方が大きく変わるこの時期だからこそ…だな。」
「なんというか…物事の見方がすっごい変わったよねぇ…。」
正直なところ世界情勢とかは前世とかなり違う…かといって完全に別物かといえばそうでもない…。
「どの道に進んでも優劣が付くわけじゃないっていうのを知ってほしいんだろう。」
「昔はそれが原因で足並みがそろわなくて事故が起きたんだっけ?」
「そうだな。魔物の襲撃を抑えきれずに都市が一つ消える事になった。」
「でも、都市には防衛機構があったよね?隔壁で地上と地下を分けるやつとか。」
「その頃はまだ完全ではなかったらしくてな…。隙を突かれて隔壁が破損、そのまま地下に魔物が雪崩れ込んだんだ。しかも破損した隔壁で逃げ道が塞がれて入れても出る事の出来ない状態で…最終的に住民は全滅、魔物は魔力炉を自壊させて吹き飛ばしたらしい。」
その時に地下数kmの地下都市を守っていた防壁に囲まれた円柱状の大穴ができ、今ではどこからか流れ込んだ水で湖になっていて慰霊碑や祭壇が置かれているものの割と人気な観光地の1つと化している。
8時55分。授業開始5分前の鐘が鳴り教師が教室へと入ってくる。
「おはようさん。出欠をとるぞー。まずは―――よし、全員いるな。それじゃあ授業の準備だが…最初の授業だけ少し特別なものになっていてな?途中で休憩を取りつつ3時間分だ。それから授業で使う資料はこちらで用意してある。んじゃあ、一番前側に座ってるやつらは取りに来てくれ。」
「「はーい」」
用意された資料の内容は大雑把に世界の情勢と都市の役割とどうやって運営されているのか、それから騎士や技師の仕事についてのようだ。
「さて…それじゃ皆は都市についても装置である程度分かってると思うんだが―――」
まず都市は小さな国の様なものだ。それぞれの文化があり発展の傾向が違う。形状だけはほぼ同じで地下に向かって伸びる円柱状の建造物だ。緊急時に地上と地下を分断する隔壁が存在する。
運営についても基本部分は同じだ。貴族と呼ばれる専門知識を継承する者たちにより方針が決められていく。ただし貴族達の横暴を防ぐ為の監視組織が複数あり監視の下に健全な運営が行われている。貴族と呼ばれる所以は特権を与えられているからだが…多少優遇されているというだけで振りかざして何かできるというほど強いわけではない。…が、たまに馬鹿な真似をして家から勘当され対魔物戦の最前線に送られる阿呆がいたりする。
次に騎士について。魔法兵装を用いて魔物などの脅威から都市を守る者達のこと。
小型や中型の兵装を使い生身で戦う徒士と大型の兵装に乗り込んで戦う騎士、そのどちらの役割も熟せる魔装士がいる。
男性は身体能力、女性は魔力操作の評価が高く出る傾向があるため…徒士は男性が。騎士は女性が比較的多い。魔装士は大体半々。
最期に技師について。魔法兵装からインフラや各家庭の家電まで…様々な分野で活動する技術者達のこと。研究職の者達もここに含まれる。
「――――とまぁこんな感じか。次は歴史だな。人類は魔物との戦い続けてきた…と言いたいが一時期は人間同士で争っていた時期もある。…だがな?人間同士で争っていると魔物によって両成敗。つまり争っていた者達はいなくなるんだ。その結果が今の人間同士の争いのない状況だ。それだけじゃなく技術の共有も行われるようになり都市間の技術格差はほぼなくなった。まぁ土地柄による違いはあるけどな。」
ここで授業終了の鐘が鳴り最初の授業は終了した。その後の授業も順調に進み1年生だけ早めの放課後だ。
「二人とも一緒に帰らない?」
「帰りに商店街でもよっていこーぜ!」
「僕は一緒に帰ろうと思うけどリフ君はどうする?」
「ん、一緒に帰ろうか。」
この前、友達?になった3人に誘われた俺達は学校近くにある商店街へと寄り道しながら一緒に帰った。
それからも特に問題もなく平和な学校生活を過ごし、クラスメイト達とそれなりに仲良くなることができた。
ただ最初のころに知り合った3人と一緒に行動していることが多いと思う。数ヶ月も過ぎた頃には学校外でも一緒に遊ぶようにもなったからな。
それから俺とトトキは常に共にいるせいか二人で一人のセット扱いになっていた。別行動してると驚かれるほどなのは…ちょっと問題か?…別にいいか。
最近、トトキが俺を君付けをやめて「リフ」と呼ぶようになった。廊下で呼ばれた時は少し変な視線を感じたように思うが気のせいだろう。
テスト等の成績については…俺とトトキで学年の1と2位を取り続けている。とはいえ俺はずるをしているようなものだからあまり誇れないがな…。ちなみに3人組は学年で真ん中より少し上くらい。
そんな平和な日常を過ごし3年が経ち妹が入学する時が来た。
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