第7話 クラスメイトの三人
―― あらすじ ――
実力試験が終わってのんびり休日を過ごした
―――――――――
今日は実力試験の結果が発表され、自分のクラスが決まる日だ。
俺達は以前集まった教室へと向かうとすでに席は埋まっており教室全体が少しそわそわしているように感じた。
その後、教師がやってくると順番に名前が呼ばれ結果と通うことになるクラスの書かれた紙が手渡されていく。
「リフ君はどうだった?」
「筆記は満点、実技はオールラウンダー判定でクラス番号は1だな。」
「そっか。僕は筆記でいくつか間違えちゃったみたいで…。でも、クラスはリフ君と同じみたいだからよかったよ。」
無事に同じクラスへと通えることになったようだ。
クラス分けは全体、魔法、身体能力、技術とそれぞれ評価の高かった項目によって分けられる。
「よし!みんなはクラス移動の時間だ!各自、紙に書かれているクラスに移動してくれ!」
「「は~い」」
教師から移動の指示を受けた生徒達はそれぞれのクラスへと移動するべく教室から出ていく。
俺達がこれから通うことになるクラスに到着するとすでに席が埋まっていて皆やる気に満ち溢れた顔をしている。この歳でオールラウンダー判定を受けるにはそれなりに訓練が必要だからな…みんな頑張ったのだろう。
「ぉ~みんなやる気満々って感じだねぇ。」
「このクラスになる為に頑張ったんだろうからな。魔力と身体を同時に鍛えないといけないからな。」
会話をしつつ周りを見てみると積極的とは言えないもののあちこちで交流が始まっているようだった。…やや女子生徒の方が多い感じか?あれ、どこかで関連する話を聞いたような。
「最近は将来的にいい相手を捕まえられるようにって塾に通わせて女の子にオールラウンダーのクラスを目指させる親御さんが多いみたいよ?」
「あら~…たしかにあのクラスにいた人って…今、いくつかの組織の幹部とかになってたりするわよねぇ…。」
「そうそう!ワカハゲ君とか、今は兵装開発会社の副社長になってるらしいわよ!」
「うそ~!――――――――」
(ワカハゲって愛称なのか?名前だったら…いや、どちらにせよ悲惨だな…。)
と、以前に聞いた母親達の会話を思い出す。そんなどうでもいいことを思い出していると窓際でこちらの様子を窺っていた男女3人組が話しかけてきた。
「はじめまして、僕はメクリマ!この小さいのがパソテで、そこの女の子がステムっていうんだ。君たちは?」
少し高めの身長の男の子メクリマ・ススカーツ、小柄な男の子パソテ・イシマ。ちょっとボーっとした印象を受ける女の子がステム・ナグリタスらしい。3人は近所に住む幼馴染らしい。
お互いに自己紹介を済ませたあたりで教師が入ってきて席へ着くようにと指示が出る。
「ありゃ…また後で話そうぜ!」
「うん、また後でね!」
「…幼馴染3人組で全員クラス1…なかなかにすごいな。」
「そうだね、僕たちと同じでみんなで鍛錬したのかな?」
3人の印象を話しつつ席に着く。生徒全員が席に着いたのを確認すると教師は足からの予定を説明し始める。
「初めまして。このクラスを担当するキリティルス・ヨコノだ。明日からの話だが…朝は9時に授業が始まるから15分前までにはこの教室にいてしっかりと準備をしておく事!それから――(中略)――説明はこれくらいだな。それじゃあ次はクラスメイト同士、仲良くするためにも自己紹介だな。そっちの席のやつから順番によろしく。」
指名された席の生徒から順番に行われていき、特に問題もなく全員の自己紹介が終わる。ふざけた自己紹介をしたやつは…いなかった。
その後は学校の中を説明を受けつつ歩いた。保健室や専門の設備が配置された各移動教室。上の学年のクラス等だ。そして学校には入学式で使われた大ホールの他に中ホールがある・・・が、小ホールはないそうだ。使われることが無いかららしい。
そして案内も問題なく事が進み無事に解散となった。教師が去った教室では再びクラスメイト同士で交流が始まりあちこちでグループができ始めていた。
今朝方に話しかけてきた3人組も俺達と会話をするために窓際のトトキの席に集まってきていた。ちなみに俺の席はトトキの横である。
「やっほ!今朝振り~。」
「やっほ~。明日からの授業楽しみだね~?」
「僕は午前の座学はあんまり…かな。午後の実技は楽しみだけど。」
「私はどっちも楽しみ~。実技は同じ女の子の仲間ができたらないいとは思ってる。」
「ん~?じゃあ今の内に話しかけておいた方が良いんじゃねぇの?」
「今はいいかな~?二人の話を聞きたいし…。」
3人とも昔から一緒に遊んでるだけあって仲がよく気軽な感じで会話している。
「そういえば二人は試験で1番と2番だったんでしょ?」
「まぁそうだな。俺が1位でトトキが2位だ。」
「すごいな。どんな訓練したんだ?」
「ん~僕達はそこまで特別なことをしてるわけじゃないんだよね。」
「そうだな。基礎を鍛える鍛錬を小さいころから長く続けているだけだ。」
実際にやってる事といえば一般的に知られている基礎を鍛える方法をひたすら反復練習しているだけだ。記憶を持ったまま時間が巻き戻った影響で幼い頃から成熟した精神を持っていたからこそできたことではある。
「近道は無いから…。ひたすら続けるしかないんだよね。」
「そっかぁ…ちなみにどんなことをやってるのか…聞いてもいい?」
「いいけど、誰かに教わっているならその人に聞いた方が良いと思うよ~?」
「それはそうなんだけどな~?気になるから教えてほしいなって。」
「そっかぁ…リフ君、説明頼んでいい?」
「そこで投げるのか…。まぁいいや。まずはそうだな…。」
隠す事でもないしな。
こうして普段やってる鍛錬について話事になったのだがその日は鍛錬に関する話だけで解散となった。その時、なんか子供っぽくないとか思ってしまったのは内緒だ。
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