第11話 さよなら

・・・ここまで書いたところで目が覚めてしまった


僕はいったい何をしていたのだろうか


薄目を開くと、知らない女が僕の顔を覗き込んでいた


「ああ、目を覚ましました、西村さんが目を覚ましました!!」


女が大声を出したので頭がガンガンした


白い服を着た女がもうひとり駆けてきた


「あら、本当だ!!」


僕はベッドに寝かされている


ここはどうも病院で、女は看護師らしい


医者がやってきて僕がどうしてここにいるのかを僕に話した


僕は、全く知りもしない街の小さな駅の前に倒れていたらしい


ベッドの枕元にかけられたネームプレートには


「西村小次郎  平成12年5月10日生 24才」


と書いてあるがどうして僕のことを僕より知っているのか


どうも、僕は免許証を持っているらしい


何も覚えてないなあ


頭を抱えていると、地球が爆発して死んでしまった



                          完

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つまらないパン屋 シーズン1 西宮今日子 @kyouakustardust

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