第9話 我はチャッピー、あるいは流星

小島君の入っていた暴走族とかいうグループの名前は

板橋流れ星という極小スループだったと聞く


我はチャッピー

あるいは流星

もしくはモモ

チャッピーは小島君の母上が

流星は小島君が

モモは小島君の親友の五文君が

それぞれ我につけた呼び名だが

我は適当に3人に反応してあげている

物事には妥協が必要だ

そうしていくことで平和を保つことができる


今、我と小島君は

知らない婆さんと知らないおじさんと

変なチワワといる

チワワの名前はコマというそうだ


婆さんの話によると

婆さんの正体は五文君の母上らしい

そういえば匂いが同じだ

でもなんか老けたな

五文君はいないのか??


「なああんた、どっか遊びに行かないか?」

コマが話しかけてきた

「どっかってどこへ」

「この間この近くにうまいチクワをくれる家を見つけたんだ」

「我はドッグフードしか食べたことがない」

「は?散歩に行ったりしないのか?」

「母上か小島君と一緒に行ったりするが」

「死にたくならないか?部屋に閉じ込められる生活なんて」


閉じ込められているという感覚はなかったが

もともと我はインドア派というのか

屋外が好きではない

家の中で窓の外を眺めたり

テレビを見たりするのが好きだ

文字も少しなら読める


小島君は何が起こったのかわからないような顔で

立ち尽くしている

これは多分タイムスリップという現象ではないかな


我が楽しみにしているテレビ番組の一つに

青い狸のようなロボットと少年が出てくるアニメがある

その青い狸は2022年の未来から来た設定で

机の引き出しの中が時空トンネルになっており

魔法の絨毯のような

タイムマシーンで自由に過去や未来を行き来している


我々がどうやってこの世界にきたのかを

思い出してみよう




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