第7話 田辺

白い子猫、オス

名前は田辺

野良なのか、飼い猫なのかはわからない


「おじさん、僕はここのおばさんの居場所を知っているよ」

田辺が毛繕いをしながら言った

いや、田辺が言ったように聞こえたが本当は

テレビから聞こえたのかもしれない

「おばさんは時空に迷い込んだんだってさ

犬と一緒にね。」


時空


「時空に迷い込んで今は

14年後の世界にいるのさ、五文と二人でね。」

「五文・・・?」

「おばさんのお腹にいた赤ちゃんだよ。」

「五文なんて誰がつけたんだ・・・、。」

「知らないけど、僕はとにかく五文の同級生の

ななちゃんちに飼われていたのさ。田辺ってのは

ななちゃんのお姉さんの好きな男の名前らしい。

僕、もっとかっこいい名前が良かったや。」


俺は疲れているに違いない。


翌日は店を休みにして一日中布団の中にいた


夕方庭に出てみると、アライグマがいた


「やあ、こんにちはおじさん

僕はボーだよ、1977年の世界から来たのさ。」


もうダメだ


翌日も店を休みにして病院へ行った


異常なしとの診断だった


帰ってみると玄関のドアの前にチワワがいた

「おじさん、あたちはコマよ、2099年から来たの。」





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